もともとオプションパッケージが豊富なボルボだが、さらに各シリーズの個性を引き立て、ユーザーからの要望に応える、'04年モデル・ベースの特別限定車が発売された。
今回、この4車種を一同に集めた試乗会が開催されたので、フラッグシップサルーンのS80を中心にご紹介しよう。
リポート|笹目二朗|J.Sasame フォト|郡 大二郎|D.Kori
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ボルボの旗艦、S80がマイナーチェンジを受けた。すでにワシントンDCで行なわれたテストドライブで試していたのだが、それを紹介する間もなく日本仕様が導入された格好だ。ネーミングはT6ダイナミック・エディションで、50台が限定販売される。
T6の名の通り、2.9リッター直列6気筒エンジンはツインターボで過給され、272psと38.7kg-mを発生する。数字が控えめに感じられるのは、最大トルクの発生回転数が1800〜5000rpmという広範囲に及ぶからで、つまりギリギリに絞り出したチューンではないからだ。そして、もうひとつの要因は、大型サルーンにも関わらず、ボディ重量が1670kgに抑えられていることだ。FRのライバルたちが4リッター、5リッターと排気量を拡大するのは、+200kgの重量を運ばなければならないからで、いまや安定性やパッケージングだけでなく、大型車でもFFシャシーの優位性は総合性能として差を広げている。
新しいS80で注目すべきは、S60/V70の「Rシリーズ」で開発された新世代ボルボのサスペンション・チューンを身に付けている点だ。ひと言でいえば軽快な操縦性と快適な乗り心地を実現している。さらに、今回の限定車には18インチのピレリPゼロ・ロッソという高性能タイヤが奢られ、ひと味違う迫力を添えている。
実際にS80は、普段は淡々とした静かなクルージングが身上ながら、その気になればスポーツカー的なドライビングにも対応してくれる。この静と動の両立は、まさに風林火山を地で行くものだ。ワシントンDC郊外の緑の丘陵地帯は、まさにFOUR-Cと名付けられた電子制御ダンパーの晴れ舞台だった。平穏時のゆったりした動きから、一転して無駄な動きを封じ颯爽と次のコーナーに備える。その気になってムチ打てば、ターボエンジンもフルブーストで快音を発して応えてくれた。
ところで、今回はこの他にもお買い得な装備が追加されたボルボの限定車に試乗できた。S60 T-6は、ボルボとして最も固められたアシを持つが、もちろん乗り心地を犠牲にしない範囲でしゃきっとした機敏な振る舞いが可能。C70ホワイトパールエディションは、派手で豪華な感じがボルボのカブリオレらしく重厚な雰囲気を醸す。シートヒーターを使えば、冬でもオープンエアが存分に楽しめる。XC70
2.5Tアドベンチャーは、いうまでもなく現実的な万能実用車。荷物をたくさん積めて、どこへでもガンガン走って行ける。こうした性格の異なるボルボを一気に乗ってみると、ボルボというメーカーの方向性が見えて面白い。
それでも、この中で個人的にベストと思うのはS80だ。大きくてゆったり乗れる感覚こそ、ボルボの伝統的な持ち味。時間に余裕ができたらクルマに乗ってのんびり長距離旅行したいなぁ、と思っている人にとって、S80は究極の選択だと思う。「優雅な暮らしとは、ボルボを楽しむ生活」というキャッチがアタマに浮かぶ。
安全性を唱えるライバル車たちは、とかく消極的にクルマを止めようとする。「手は出すな、あとはボディに任せろ」とでもいうように。確かに強固なボディに助けられた話はよく聞く。しかし、ボルボには積極的に危険を避ける余裕も残されている。ボディが受け持つのは、万策尽きて本当に最後の最後に頼る道だ。だから、ボルボのボディに命を助けられたという人の話は寡聞にして聞かない。事故例そのものを聞かないからだ。
ボルボに乗った後、いつも感じることは、強烈なチャームポイントが思いつかないわりに、なぜか飽きない点だ。いつまでも一緒にいたいのは、ここに自然の安らぎが認められるからだろうか。
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エンジンは2.9リッターの直6DOHC24V+ツインターボチャージャー。パワー&トルクは272ps/5400rpm&38.7kg-m/1800-5000rpmで、ロックアップ機構付き4ATが組み合わせられる。 |
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Rシリーズに採用される“FOUR-C”をS80用にチューンナップして搭載。これにより、その乗り味をコンフォートからスポーティへと瞬時に切り替わる。 |
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ホールド性の高いスポーツシートは、スウェード調アルカンタラ素材とソフトレザーのコンビ。また活性炭素を使用したマルチフィルターの採用により、室内は常にクリーンに。 |
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アルミホイールは、ブライトシルバー仕上げが施された“Capella”。サイズは8J×18インチ、235/40R18のタイヤと組み合わせられる。 |

 


 
今年のフランクフルト・ショーで「S60 sport」として発表された専用ボディキットをまとい、新デザインの17インチホイールで足元を固めたS60
2.5Tスポーツ・リミテッド・エディション。エンジンは'04年モデルの2.5Tと同様の2.5リッター直5DOHC20V+ライトプレッシャーターボを搭載。スポーツサスペンションとの組み合わせにより、その性能を余すところなく引き出す。ボディカラーは2色で特別限定150台。価格は5,295,000円。



 
C70カブリオレは11色のボディカラー、6種のインテリアマテリアル、2種のウッドパネル、3色のソフトトップカラーの中から、自分好みのカラーコーディネートできるのが魅力のひとつ。ホワイトパール・エディションは、本革シートやプレミアムサウンド・オーディオシステム等のほか、特別色“ホワイトパール”のボディカラーと、専用の17インチBBS製アルミホイールを組み合わせた1台。30台(予定)限定。価格は5,450,000円。



 
XC70 2.5Tベーシックパッケージ装備車に、ボルボ初となるSUVの人気アイテム“ダークティンテッドウインドー”をはじめ、リアルーフスポイラー、バイキセノンヘッドライト、本革内装、メッシュ仕上げのアルミニウムパネル、前後スキッドプレートなどを特別装備した2.5Tアドベンチャー。この他、9色のボディカラー、4色のレザーシートから自由な組合せが可能。2004年3月31日までの期間限定発売。価格は5,950,000万円。 |