強烈な個性を放つデザイン性に目を奪われがちになる新型メガーヌだが、実はパッケージングの面でも、非常に大胆な試みを取り入れているという。
そして、そのパッケージングが生み出す独創的でダイナミックな走りこそが、新型メガーヌのアイデンティティなのだというが……。
リポート|斎藤 聡|S.Saito フォト|宮門秀行|H.Miyakado
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それにしてもユニークなスタイリングである。同系列のデザインを持ったアヴァンタイムを見たときには”異様な感じ”を受けたものだが、メガーヌは不思議と眼に馴染む。まさかアヴァンタイムの毒にあてられ、耐性ができたというわけではないのだろうが……。
メガーヌについて語るとき、やはりこのデザインの話題を素通りしてしまうことはできないだろう。というのも、世界ですでに30万台以上が売れたという新型だが、購入にいたる理由の中に、かなり大きな割合で「カッコいい」というのがあるらしいのだ。
メガーヌのデザインについてさらに言及したいところだが、それについては120ページで、本誌小倉がデザイナーであるパトリック・ルケモン氏にインタビューしているのでそちらに譲り、ここでは走りの面からメガーヌというクルマを観察してみたいと思う。
ところで、パソコンを持っている人は一度、ルノーのホームページを覗いていただきたい。カーラインナップのところからショールームに入り、各モデルの紹介に行くことができるのだが、他のモデルがコンセプトから始まっているのに、メガーヌだけがなぜかドライビングプレジャーから始まる。コンセプトの説明さえない。
つまりメガーヌというクルマは、ドライビングプレジャーを語ることがコンセプトを語るに等しいといっているのだ。メガーヌをクラス分けするなら、Cセグメントとなる。ゴルフを筆頭にした激戦区であることはいうまでもないが、その中でメガーヌの足の置き場、つまりキーワードとなるのがドライビングプレジャーなのである。
メガーヌはデザイン(姿かたち)だけでなく、そのディテールもとてもユニークだ。2625mmという、このクラスとしてはかなり長いホイールベースを持ちながら、実はリアのレッグスペースはさほど広くない。その代わり、フロントシートの位置をホイールベースのほぼ真ん中あたりに持ってきている。それによりドライバーをクルマの動きの中心に据え、より一体感のあるドライビングテイストを作り出そうとしているのだ。
そうはいってもクルマの重量バランスは前寄りだし、クルマの動きはリアタイヤを支点にフロントが先に曲がっていくような動きになっているではないか。クルマを受け取って市街地を走り出したとき、そんな印象を持った。ところがワインディングロードに乗り入れ、コーナーの曲率なりにメガーヌを走らせていると、これが悪くないのだ。ぜんぜん悪くない。
確かにフロントの方が重いが、それはダンパーの効いたしなやかなフロントサスがカバーし、素直でかなり正確度の高い回頭感を出している。スペース効率を優先せずシート位置をホイールベース中央に据えているため、通常の前寄りに着座したときのような、コーナーで体ごともって行かれるような感触もかなり緩和されている。
それに、よほど出来のよいFFでもリアサスは感覚的にかなり遠い印象があるものだが、メガーヌはすぐ後ろにリアサスがあるように感じる。そしてサスの動きがしっかりと把握できるのだ。
リアサスの左右のロールや沈み込み、あるいは伸び上がりの感触。それがフロントサスの動きと相まって、ドライバーにごくごく自然にクルマの重心の移動を感じ取らせてくれる。つまり4つのタイヤに荷重がかかる様子が文字どおり手に取るようにわかるのだ。そして、それがメガーヌ独特のクルマとの一体感を作り出している。
メガーヌの目論見は、これがすべてといってもいいかもしれない。フロントシート位置をホイールベース中心に移動したため、リアシートのレッグスペースは狭くなっている。リアオーバーハングに小ぶりなトランクのように乗っているテールエンドまでキャビンを伸ばせば、後席の居住性は格段に向上するはずだが、メガーヌを真横から見てみると、見事にリアのタイヤの上でキャビンが終わり、オーバーハングに重量物を乗せていない。たぶんエンド部までキャビンを目一杯伸ばしたら、クルマの動きはもっと鈍く、平凡なものになっていたに違いない。
メガーヌは「リアの居住スペースを許容できる最小限にする」と割り切ることで、サスペンションのチューニングや、ボディ剛性だけでは作り出せない、クルマの動きの中心にいることで得られるクルマとの一体感を見事に演出しているのだ。これはタイヤのスキール音がするほどコーナーを攻め立てなければわからないような類のものではない。適度に気持ちよいペースで走らせてやれば、その感覚は十分に感じ取れる。
そもそも、メガーヌはあまりぶっ飛ばすタイプのクルマではない。エンジンも2リッターで133ps&19.5kg-mに過ぎない。トルクが厚いので、かなりきつい勾配でもスイスイと登っては行くが、パンチはイマひとつだ。また、フィールの面でも試乗車にはまだ硬さが残っていた。この時点で1400kmを後にした試乗車だが、本来のしっとり回る感触が出てくるまでには、これと同じくらいの距離が必要だろう。そうなれば、高回転域での伸びきり感がもう少し良くなるはずで、それに伴ってパワーフィールも改善されると思う。
ダンパーも初期のフリクションが取れておらず、低速でゴツゴツした硬さが残っていた。これも、あと1000kmほどは距離が必要な気がする。そうなるとさらに、空間を運ぶのではなく、ドライバーが移動するためのクルマとしての魅力が際立ってくるはずだ。
ただし、電動パワステのフィーリングについては少々不満が残った。とくに低速域での操舵フィールに若干の違和感があり、それが走りの気持ちよさをスポイルしているのが気になったことは報告しておこう。
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RENAULT MEGANE |
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2.0 |
2.0Premium |
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| ■全長/全幅/全高(mm) |
4215/1775/1460 |
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| ■ホイールベース(mm) |
2625 |
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| ■トレッド(前/後)(mm) |
1510/1515 |
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| ■車両重量(kg) |
1320 |
1330 |
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| ■エンジン種類 |
F4/直4DOHC16V |
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| ■排気量(cc) |
1998 |
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| ■最高出力(ps(kW)/rpm) |
133(98)/5500 |
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| ■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm) |
19.5(191)/3750 |
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| ■トランスミッション |
4AT |
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| ■サスペンション(F:R) |
ストラット/コイル:
トレーリングアーム/コイル |
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| ■ブレーキ(F:R) |
Vディスク:ディスク |
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| ■タイヤ(ホイール) |
205/55R16(6.5J) |
205/50R17(6.5J) |
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| ■東京標準現金価格 |
¥2,530,000 |
¥2,780,000 |
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| 問い合わせ先 |
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| ※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。 |
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欧州最大のCセグメントで11.6%という高いシェアを誇る新型メガーヌは、2003年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれている。また、欧州では2002年10月末に販売を開始し、現在までに32万台以上のセールスを記録しているという。 |


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| 独創的なエクステリアに比べ、比較的オーソドックスにまとめられるインテリア。メーターナセルやサイドブレーキレバーのデザインなどには、メガーヌらしいデザインコンシャスな面も見られる。キーは、マルチファンクションカードを使ったカードタイプを採用。 |
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全長4215×全幅1775×全高1460mm、ホイールベース2625mmというサイズから想像するよりもインテリアは狭い。フロントシートがほぼ車体の真ん中に位置するため、とくにリアシートのレッグスペースに余裕がない。
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グレードは1.6リッターエンジンを搭載する1.6、2リッターエンジン搭載の2.0、その豪華装備版となる2.0プレミアムをラインナップ。仕様は5ドア、右ハンドルの4速ATのみとなる。 |

 
330リッター(VDA法)の容量を確保するトランクルームは開口部も広く、荷物の出し入れもしやすい。リアシートはダブルフォールディングの6:4分割可倒式を採用。シートはヘッドレストを外さずに倒すことができ、すべて倒した状態では1190リッターの容量となる。
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小物入れの類が充実していることも新型の特徴のひとつで、収納スペース全体では実に44リッターを確保する。写真は運転席および助手席の足下に備わるアンダーフロアボックス。 |
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2リッターには2.0プレミアムという豪華仕様が用意され、キセノンヘッドライト、シートヒーター付きレザーシートなどの専用装備が与えられる。ホイールも2リッターの16インチに対し、プレミアムでは専用デザインの17インチを用意する。 |
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ボディカラーは全6色で、2.0および1.6には写真のフレーム・レッドMを含む全5色を設定。2.0プレミアムには、専用色のパール・ブラックMを含む2色が用意される。 |
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目指したのはクルマとドライバーの一体感。 |

 



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