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数あるヨーロッパの自動車メーカーの中で、いまもっともダイナミックにブランドイメージの再構築を図っているのがオペルだ。
その大きな柱となっているのは、デザイン改革とニッチ政策。そして、それを具現化した第一弾が、ベクトラ・ベースのクロスオーバーカー、シグナムである。
リポート|熊倉重春|S.Kumakura フォト|郡大二郎|D.Kori
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オペル・シグナムは、多彩なライフスタイルの光景に手際よくマッチする、かなり新鮮な5ドアセダンだ。硬質なデザインや走行感覚には、素直に本質を追い求めた潔さも見える。
いや、形としては5ドアセダンでも、ここはあえてクロスオーバーと呼ぼうか。保守的なヨーロッパのミドル級では、これまで4ドアセダンからの枝分かれといえばワゴン、クーペ、カブリオレあたりが相場だった。ところがシグナムは、そのどれにも当てはまらない多用途感が濃い。だから、これからクルマ界の流行語になるクロスオーバーの、もっとも現実的でわかりやすい形と解釈しよう。
簡潔なラインで構成された姿からもわかる通り、土台はベクトラ。そのホイールベースを2700mmから2830mmへと大幅に延ばし、主に後席のスペースを拡大したのがシグナムだ。もちろんここはスライドするので、最大級のドイツ人でも悠々と脚を延ばして寛げる。前にスライドさせたり折り畳んだりすれば、ほとんどワゴン並みの荷室もできる。床面の奥行きは普通で約1m、シートを畳めば1.9m近くにもなる。そのくせ来年ワゴンも発売だとか。これでベクトラは4ドアセダン、クーペ的5ドアのGTSも加え、合計4シリーズにまで増殖だ。
それはともかく、いかにシグナムの後席が優遇されているかは、ここ専用のトラベルアシスタントなるオプション装備からも見て取れる。大きなセンターアームレスト状のそれ(取り外し式)にはDVDプレーヤーを組込めるほか、クーラーボックスや折り畳みデスクを備え、12Vの電源も取れるなど、動く略式オフィスにさえ変身できる。成り金趣味でないVIPカーでもあるわけだ。
もちろんBピラーから前方は、ベースとなったベクトラそのまま。無用に凝らず簡潔で読みやすいメーター類など、いつもながら清潔感あふれる雰囲気が嬉しい。モダンなオーディオセットのフェイスのようなセンターパネルも、主なスイッチ類をわかりやすく配置してある。硬めのシートに座って周囲を見回すと、いかにも実質重視の行動派になった気がする。
ここで細部に注文を付けるとすれば、カーナビ画面の位置ぐらいだ。ヨーロッパ系の中では最も積極的にナビ装着を進めてきたオペルなら、もっと高いところに大型液晶モニターを置いて欲しかった。本来のあちら仕様では中央上部の小型液晶表示部がナビになるが、これでは日本向けには小さい。
横置きのエンジンもベクトラと共通で、2.2リッター直4(155ps)と3.2リッターV6(211ps)の2種類。アイシンAW製の5速AT(Mモード付き)も同じだ。したがって走行感覚もベクトラそのもの。もともとフラット感に富むシャシーだけに、直線でもコーナーでも、ほとんどホイールベースの差は感じられない(純粋のフラット感だけならフォード・モンデオに一歩譲るが)。過不足ないダイレクト感に裏打ちされた走りやすさもベクトラのままだ。
ただし、2.2と3.2では微妙な味わいに違いがあり、ドライバー目線で選ぶなら2.2、後席を主体ののんびり感なら3.2を薦めたい。諸元表では同じだが、実際には2.2だけスポーティなGTS系の足回りなので車高が2cm低く、全体にシャキッとしている。エンジンも、性能の数字こそ低いがメリハリに富み、運転して飽きない。それに3.2より70万円ほど安いにしては装備の差も少ないし。
そこで悩むのは、クロスオーバー的な雰囲気が漂うシグナムか、よりスポーティ風味が濃くスマートなGTSかの選択だ。あえて個人的な意見で締めくくるとすれば、私ならGTSの2.2にする。これでも内部は非常に広いし。
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OPEL SIGNUM |
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2.2 |
3.2 |
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| ■全長/全幅/全高(mm) |
4635/1800/1460 |
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| ■ホイールベース(mm) |
2830 |
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| ■トレッド(前/後)(mm) |
1520/1515 |
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| ■車両重量(kg) |
1510 |
1590 |
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| ■エンジン種類 |
直4DOHC16V |
V6DOHC24V |
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| ■排気量(cc) |
2198 |
3174 |
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| ■最高出力(ps(kW)/rpm) |
155(114)/5600 |
211(155)/6200 |
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| ■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm) |
22.4(220)/3800 |
30.6(300)/4000 |
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| ■トランスミッション |
5AT |
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| ■サスペンション(F:R) |
ストラット/コイル: 4リンク/コイル |
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| ■ブレーキ(F:R) |
Vディスク:ディスク |
Vディスク:Vディスク |
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| ■タイヤ(ホイール) |
215/50R17(7J) |
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| ■東京標準現金価格 |
¥3,550,000 |
¥4,220,000 |
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| 問い合わせ先 |
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| ※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。 |
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新開発の直噴4気筒ユニットを搭載する2.2。ベクトラGTSにも採用されるシャシー制御システム、IDSにより快適な居住性と軽快な走り、ハイレベルな安全性を実現している。 |
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ベクトラ・シリーズと共通の3.2リッターエコテックV6ユニットを搭載する3.2。211psと30.6kg-mを発揮し、ハイウェイからワインディングまであらゆる走行モードに対応。 |
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オペル初の直噴ユニットとなる2.2リッターエコテック4気筒。従来のマルチポイント式燃料噴射エンジンに比べ、トルクで10%、出力で6%向上している。 |
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実質重視のデザインは無用に凝らず簡潔で、清潔感に溢れている。 |
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ベクトラに対しホイールベースを130mm延長したことで、後席には十分なゆとりを確保。左右シートは独立式で、それぞれ前後13cmのスライド、最大30度のリクライニングが可能。 |
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多機能を誇る後席の「トラベル・アシスタント」はオプション設定。DVDプレーヤーホルダー、折畳式テーブル、クーラーボックス、12V電源などがパッケージとなる。 |
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後席を折り畳むと最大容量1410リッターのフラットなラゲッジスペースが出現。 |
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