アルファGTの試乗会には、日本のプレス陣のために、マイナーチェンジが実施された166も用意された。
フロントが最近のアルファに共通する構成となり、3.2リッターのV6がラインナップに加えられた166である。
残念ながら、その3.2リッターには乗れなかったのだが、今回、実質的改良も行なわれたことは知り得たのだ。


リポート|小倉正樹|M.Ogura (本誌) フォト|フィアット・オート・ジャパン


 ニース空港に迎えにきてくれたフィアットのスタッフが乗っていたクルマは、新型のアルファ166だった。いわれるがままにリアシートへ腰を下ろすと、ドライバー氏はエンジンをスタートさせ、166をモンテカルロに向け走らせ始める。
 久しぶりの166ではある。しかし、やはりこのクルマは、リポーターに好印象をもたらした。そのリアシートはもちろん基本的には3座だが、左右2座の形状は少し落とし込まれていて、身体がスッポリ入り込む感じとなる。サポート性よく、クルマがコーナーで多少ロールしようとも、身体のどこかに力を入れる必要はない。ミドルサイズの4ドアサルーンとはいえ、そこはアルファで、166もどちらかといえば4座のスポーツセダンという意味合いが濃いということを、このリアシート・インプレッションであらためて感じることになったのだ。
「せっかくのリアシートなのに、なにもインプレッションを取る必要はないよな」と考えながら、リポーターはその居心地のよさに負けて居眠りをしてしまう。居眠りしつつ、「これだけ居心地がよかったら、お客様へのおもてなしということでは最高だな」なんて考えていたように思う。
 翌日、実際にステアリングを握ってみると、今度は今回のマイナーチェンジがフロントエンドの変更のみならず、実質的な部分にまで及んでいることを知った。
 今回の166のマイナーチェンジは、いわゆるフェイスリフトで、これまでのややノッペリした印象のフロントが、先にマイナーチェンジした156同様にリフレッシュされて、凛とした顔つきになった。と同時に、156GTAでデビューした3.2リッターV6のディチューン版を搭載(6速マニュアル仕様のみ)、ラインナップに加えたもの。しかし、これだけにとどまることなく、アルファの技術陣は、サスペンションの仕様を変更するという実質的な改良も行なっていたのである。
 残念ながら、リポーターが試乗できたのは、エンジン、ドライブトレーン系にはなんの変更もない3.0V6のみだったが、それだけにサスペンションの仕様変更に伴う乗り味の変化は顕著に感じられた。モンテカルロの街を走り始めてすぐに分かったのは、乗り心地が明らかによくなっていること。そして、ワインディングではアンダーステア傾向が少なくなっていることだった。
 試乗を終え、アルファのエンジニアを捕まえて、この感触を伝えると――。
「エエ。サスペンションの仕様を変更しています。スプリングは、従来のモデルに比較して約20%レートを高めたものを使っています。これに対応させる形で、スタビライザーも約20%弱めたものを使ってます。もちろん、ショックアブソーバーの減衰も特性を変更しました。乗り心地がよくなっているのは、このサスペンションの仕様変更が効いていることもありますが、もうひとつ忘れてならないのは、ボディ剛性を約8%向上させていることです。これもかなり貢献していると思いますね」
 驚くなかれ、アルファは今回のマイナーチェンジで、ボディ剛性までも向上させていたのである。 とすると、新たにラインナップに加わった3.2V6はどんな走りを見せるのだろう。しかも、この240psのパワーを路面に伝えるのは、6速マニュアルミッション。これまでをいえば、アルファの開発陣は、大きくて重いV6をノーズに搭載してはいても、最終的にきわめてファンなハンドリングを実現していたから、166も例外ではないと思うのだが。
 
  フロントが大幅に変更されたにもかかわらず、リアにはほとんど変更なし。外観上、従来モデルと異なるのは、フロントを除くと、ウインドー回りやルーフに細いクロームのラインが加えられている点。

  ダッシュボードは、造形上の変更はなく、アルファGT同様、レザーが貼り付けられる形となる。ダブルステッチがアチコチに走って、エキゾチックではあるが、別にこうまでしなくとも……!?
  いつも感じるのは、アルファはサルーンであってもシートが秀逸であること。ドイツ車のように硬くはないのに、長時間乗っての疲労は少ない。
  ご覧のように、リアシートはほとんど2座仕様。クッション、バックレストともに比較的深くえぐられていて、サポート性は高い。
  アルファがアルファだった時代から生き延びるV6。感性に訴えてくる吹け上がりぶりは、いまだ一線級。厳しくなる排ガス規制に合わなくなっているとも聞くが、アルファのエンジニアにいわせれば「問題ない」とのこと。
  試乗車のタイヤは、欧州ミドルサルーンに装着例が多いグッドイヤー・イーグルF1。サイズは215/45ZR17。派手な外観の割に、シットリとした感触だ。
  今回のマイナーチェンジで、166はさらにファン・トゥ・ドライブになった。乗り味は、スプリングレートを高めたというにもかかわらず、しなやかさを増したよう。バネ下がドスドスする感触は消えている。
 
ALFA ROMEO ALFA 166
 
3.0 V6 24V
3.2 V6 24V
■全長/全幅/全高(mm)
4720/1800/1416
■ホイールベース(mm)
2700
■トレッド(前/後)(mm)
1554/1542
■車両重量(kg)
1550
1540
■エンジン種類
V6DOHC24V
■排気量(cc)
2959
3179
■最高出力(ps(kW)/rpm)
220(162)/6300
240(176.5)/6200
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
27.0(265)/5000
29.5(289)/4800
■トランスミッション
4AT
6MT
■サスペンション(F:R)
Wウイッシュボーン/コイル:
マルチリンク/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:ディスク
■タイヤ(ホイール)
225/45R17(7.5J)
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