GTAシリーズに、待望の156スポーツワゴンが追加された。
トピックは同車専用となる6速セレスピードの採用だが、これが3.2リッターV6エンジンと絶妙のマッチングを発揮している。

リポート|笹目二朗|J.Sasame フォト|郡 大二郎|D.Kori


 アルファにとって「GTA」は特別な意味がある。いまさら説明の必要もない最高性能車の呼称だ。そのGTAが156、147に続いて156ワゴンにも登場した。3.2リッターV6エンジンは250psと30.6kg-mのパワー/トルクを発生するのは同じながら、ワゴン専用の武器は6速セレスピードが装備されることだ。
 セレスピードの自動シフトワークは、ご存知のように回転合わせがキモだ。ダウン時の巧さときたら、ベテランドライバーさえタジタジの体だ。ただし、ダウン時に比べるとアップ時は多少遅い。
 それは電動スロットルで回転を上げるレスポンスは詰まるが、落とす方はバタフライを戻しても、エンジンの回転落ちを待たなければならないからだ。特にCITYモードで1速から2速へ上げる際にこのトロさが気になる。その解決策のひとつが今回の6速化だ。つまりステップアップ比が5速の1.75から1.57と小さくなり、以下1.47/1.31/1.20/1.19という具合にクロスさせてあるから、繋がる段差が少なくなる。
 こうなるともう、いま何速に入っているかなど忘れてもいい。加速したいなら+、減速したいなら−するだけだ。アップもダウンもお望みのまま、スムーズで緩急自在の運転ができる。
 さらに、セダンとワゴンというボディ形状の違いも良い方向に働いている。スタイリングの好き嫌いもあるが、収容能力だけでなく、実は大事な後輪荷重が増えて、ワゴンは前後重量配分が改善されているのだ。スタティックマージンの上では、アンダーステアが軽減して旋回を助ける。またレスポンシブでクイックなステアリング入力による前輪の操向と駆動力は、時にテールを流せるほど強力であるが、その時の後輪荷重が増して安定性も向上している。
 ただし225/45の太いタイヤは、ボディ干渉を考慮して切れ角をさらに少なくしているから、回転半径は大きくなってしまった。アルファGTAに興味を示す硬派にとって、そんなことは取るに足りない小事かもしれないが……。
 太平楽な現代において、乗って面白いクルマはそう沢山はない。刺激が欲しいなら買うしかない。


  Alfa Romeo Alfa 156 Sportwagon GTA
■全長/全幅/全高(mm)
4430/1765/1435
■ホイールベース(mm)
2595
■トレッド(前/後)(mm)
1520/1510
■車両重量(kg)
1510
■エンジン種類
V6DOHC 24V
■排気量(cc)
3179
■最高出力(ps(kW)/rpm)
250(184)/6200
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
30.6(300)/4800
■トランスミッション
6MT(シーケンシャル)
■サスペンション(F:R)
Wウイッシュボーン/コイル:
ストラット/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:ディスク
■タイヤ(ホイール)
225/45ZR17(7.5J)
■東京標準現金価格
¥5,740,000
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
 
  GTA専用のレザー・バケットシートはヘッドレスト一体式。ランバーサポートとシートヒーターも内蔵される。
  インパネはセダンと共通。専用トリム、ステアリング、アルミペダルなどでスポーティ感を演出。専用設計のBOSEサウンドシステムを搭載している。
  3.2リッターV6エンジンは、セダンと共通で250ps/30.6kg-mを発揮する。組み合わされるトランスミッションはセレスピードで、156では初の6速シーケンシャルとなる。
  先だってフェイスリフトを敢行した156だが、GTAシリーズの顔は以前のまま。しかしそれはそれで魅力的。ホイールはGTA専用の17インチ。ちなみに前後重量配分は、実はワゴンの方が理想に近い。
Copyright (C) GAKKEN CO., LTD. All Rights Reserved.