ジョン・クーパーといえば伝説のF1コンストラクターであり、初代ミニ・クーパーの発案者としても知られる。
そして現在、ジョン・クーパー・ワークスは現行ミニの専用チューニングキットを開発している。
そのキットが、なんとディーラーから発売。はっきりいってこれはニュースだ。
リポート|河口まなぶ|M.Kawaguchi フォト|宮門秀行|H.Miyakado
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35ps以上のパワーアップを果たしたクーパーSのエンジンは、最高出力で実に200psを発生し、最大トルクでも約3kg-mアップの24.5kg-mを達成しているという。事実、スロットルを踏み込んだ瞬間から、ノーマルのクーパーSとはまったく異なる圧倒的な加速フィールにより、猛然とダッシュしていく。一方、クーパーのエンジンは11
psアップの126psと、0.6kg-mアップの15.8kg-mを達成。こちらは全域でプラスαの力強さが増しており、特に高回転でもフラットなトルク特性となるため、実に扱いやすく洗練された印象を与える。
今回試乗したクーパーSとクーパーは、ミニ・チューナーの代名詞といえる「ジョン・クーパー・ワークス(以下JCW)」のチューニング・キットが組み込まれたもの。クーパーS用、クーパー(5MT)用がラインナップするこのキットは、吸気系パーツや専用のシリンダーヘッド、排気系に至る一連のパーツがセットになっており、これらを装着することで、ノーマルのクーパーSとクーパーは、冒頭のようなパフォーマンスアップを果たすのである。
このJCWチューニング・キットは、きわめて珍しいことづくめだ。発売元はなんとBMWジャパンで、輸入車インポーターが直接チューニングキットを発売するというのは、かなり希な例といえる。しかも、このキットは通常の車両装着アクセサリー同様、2年の保証期間が付く。聞けば、このキットは世界中のBMWディーラーで発売されるとのこと。それだけJCWの信頼は厚いのである。
クーパーSとクーパーは、ノーマルでも実に気持ちよい走りを提供してくれるが、JCWチューニング・キットを装着した車両に試乗すると、さすがミニ・チューナーの代名詞と納得できる。ノーマルの良さはそのままに、刺激的な部分や楽しさを巧みにプラスした仕上がりとなっているのだ。
冒頭では、その加速感のみの印象を記したゆえ、ちょっと過激過ぎるように思えるかもしれないが、実際には200psのクーパーSですら街中でも扱いやすい。クーパーはなおさらである。今回は幕張の街中だけを、わずかな時間走らせただけなので、果たしてワインディングのような場所でこのパフォーマンスアップしたエンジンがどのように効果を発揮するかは分からないが、その感触からするとワインディングはもちろん、クローズドコースでもかなり痛快な走りを提供してくれそうだ。
また、同時に見た目もわずかに変更されており、ノーマルのミニとはちょっと違うアピアランスが魅力的。このJCWチューニング・キット、インポーターが直接販売し、保証まで付くのだから、ミニの走りをもっと楽しみたい人には絶対見逃せないアイテムだろう。
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パワー&トルクの大幅アップは、クーパーSに刺激的な走りをもたらし、まさに究極のホットハッチに仕立て上げる。同時に、エンジンの扱い易さも特筆もの。 |

 
クーパーS用キットにはスーパーチャージャーも組み込まれ、200ps/24.5kg-mのハイスペックを発揮する。車格を考えれば十分すぎるほどのパフォーマンスだ。クーパー用はMT専用となり、126ps/15.8kg-mを発揮する。
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外観上の変更点は、マフラーとJCWのバッジのみとなる。これ見よがしなデコラティブにならないあたりも◎。ホイール、そして足回りの設定はノーマルのまま。 |


左上がクーパーS、右上がクーパーのスポーツマフラー。エキゾーストノートはスペックから想像するよりも控えめだが、巧みに調律され、心地よいサウンドを奏でる。

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ジョン・マイク・クーパー
初代ミニ・クーパーの生みの親、ジョン・クーパーの息子であるマイク・クーパー氏。父の意志、一族の伝統を継承する氏は、なんと現行ミニの開発プロジェクトに初期段階から参加している。 |

今回は故人ジョン・クーパーの息子で、JCWを受け継ぐマイク・クーパー氏が来日し、我々の質問に答えてくれた。まずクーパーSにおける200psというパワー設定に関しては、「やはり信頼性、安全性、シャシーとのバランスを考えると妥当な数字です。我々は本国で250psのワンメイクレース車両も作っていますが、公道では200psが相応しいでしょう」とのこと。つまり、技術的にはもう少し高い数値を発生させることも可能だが、あくまで公道での走りを重視した結果なのだ。
一方、エンジン系以外のチューニングに関しては、「現在、すでにシートやホイールが設定されています。これも近い将来販売できればと考えています」という。
実は、JCWは本国にモータースポーツディビジョンを持っており、ここで先述の250ps版を作っている。「ワンメイク用のマシンは750kgと実に軽量です。このマシンを開発していくこともまた、製品へのフィードバックになっています」とのこと。
そして今後に関してだが、「もちろん開発を続けて魅力的なチューニング・キットを送り出しますよ」といい切った。これからのJCWの展開が実に楽しみである。 |