空前絶後の大ベストセラーモデル、ワゴンRが3代目へとシフトした。
トピックは軽自動車初となる直噴ターボエンジンだが、その他足回りも含めて走りは当然ながらグレードアップ。
トップランナーの座は渡さない、との気合いが伝わる秀作だ。


リポート|池上健一|K.Ikegami フォト|本池邦雄|K.Motoike


 累計届出台数が195万台(8月末時点)に迫るKカー界の超ビッグネーム、ワゴンRが三世代目に進化。構造と機構での話題は、やはりサブフレームの採用と、スポーティグレードのRRに搭載される直噴ターボだ。
 従来はロワアーム/ステアリングギアボックス/エンジンマウントの一部を車体に直付けしていたが、新型はこれらをサブフレームに組み付けている。これによって新型は低いサス取り付け剛性と、これに起因したプアなハンドリングが改善された。これが、NVH対策に相当効果を発揮していることはいうまでもない。
 従来型はある程度ペースを上げると、それ以上の領域に車速を追い込む意欲を萎えさせたが、新型は明らかに違う。ローダウン(10mm)仕様となるRRであっも操舵に対する応答性はシャープではないが、ノーズがインに向く際の挙動はスムーズで、ロールした姿勢も安定している。こじるように切り足すとフロントサスがしっかりしたからか、後輪の接地性に少し心許なさを感じることは確かだが、総じてバランスは実に良い。
 排ガス性能を向上させにくいといわれる直噴エンジンだが、スズキはターボを組み合わせた独自の理論と技術を構築して、超-低排出ガス認定(★★★)と燃費規制の双方を車体が重い4WD車でもクリア。不利になりつつあるターボに将来性を見出させたい、との技術陣の意地が見事に昇華した。
 その出力数値は発生回転数を含めて、今回からSターボと呼ばれることになった既存の64psターボと同一だが、低回転域から太いトルクを発生させる特性となっている。レブピークを過ぎてからの落ち込みも少なく、全域で骨太な動力感を与えるこのユニットは、「現在最も強力なKカーエンジン」と結論すべき秀作だ。
 一方、外観はキープコンセプトに徹した。老若男女を問わない広い層に認知されている国民車的Kカーが、そのおそろしく大量に存在している顧客の期待を裏切ることは絶対に許されないからだ。


  SUZUKI WAGON R
  RR-DI FX
■全長/全幅/全高(mm)
3395/1475/1635
3395/1475/1645
■ホイールベース(mm)
2360
■トレッド(前/後)(mm)
1290/1280
1295/1290
■車両重量(kg)
860
820
■エンジン種類
K6A/直3DOHC12V
+ターボ
K6A/直3DOHC12V
■排気量(cc)
658
■最高出力(ps(kW)/rpm)
64(47)/6500
54(40)/6500
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
10.5(103)/3500
6.4(63)/3500
■トランスミッション
4AT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル: トレーリングアーム/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:ドラム
ディスク:ドラム
■タイヤ(ホイール)
165/55R14(4.5J)
155/65R13
(4.00B)
■東京標準現金価格
\1,400,000
\965,000
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
 
  パワー、燃費、環境とすべてに高得点をマークする直噴ターボユニットは64ps/10.5kg-mを発揮。その他通常のターボ、低圧ターボ、NAユニットが用意される。
  フラットなパネルにセンス良く丸形メーターを独立配置し、機能性とデザイン性を見事に両立させているインパネ。RRには、オートエアコンが装備される。
  シートのスライド量は、従来型よりも大幅に拡大している(前席20mm/後席30mm)。フロントシートは、グレードによってベンチタイプとセパレートが用意される。
  軽自動車トップクラスの広さを持つラゲッジは、ワンアクションでフラットに。分割可倒式により、アレンジは多彩。助手席を畳めば2mオーバーの長尺モノも積載可能だ。
  ボクシーになったな、というのがスタイル上の第一印象。そのデザインは、GMグループの一員であることをそれとなく主張している。RR系(レッド)と標準系(ホワイト)で、ディテールが異なるデザインを採用した。
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