新しい9-3カブリオレが上陸した。
わずか約20秒で開閉可能なソフトトップ、クラス最高レベルの高剛性ボディ、ハイセンスなスカンジナビアンデザイン、そして、考え抜かれた安全性。
まさに一年を通して付き合えるカブリオレだ。
リポート|笹目二朗|J.Sasame フォト|郡 大二郎|D.Kori
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新型サーブ9-3カブリオレが発売された。車種はリニアとエアロの2種。ともに5ATで、ステアリング位置は左右から選べる。違いはエンジンで、2リッターDOHC16バルブ+ターボは同じながら、過給圧の設定で175psと209psに使い分けられる。このクルマの場合、プレミアムクラスのカブリオレとしての地位はすでに先代で確立しており、いわばベースの世代交代に伴う既定の追加車種だ。
トップの開閉機構はもちろん電動で、たった20秒で完了する。これは、この手のクルマの中ではもっとも速い。しかも、車速が30km/h以下なら動いたままの作動も許されるのだ。最近はメタルトップの開閉機構を持つクルマも増えているが、サーブがあえてソフトトップにこだわったのは、カブリオレという昔ながらの雰囲気を大切にしたからだろう。また、ソフトトップのメリットを考えると、収納がコンパクトで済む、ルーフが長くても畳めるので、いたずらにAピラーを寝かせる必要がない、といったあたりだろうか。
走り出してすぐに気づくのは、ボディ剛性が格段に向上していることだ。モノコックボディの上を取り払ってしまえば剛性が低下するのは明らかだが、現代の技術ではいろいろ補う手はある。先代とて多少ヤワな感じはあっても、こんなもんだと思えば納得できたし、耐久性がドンドン低下していくわけでもなかった。しかし、新型は明らかにガシッとしている。社内データによると、ねじれ剛性は先代比で3倍にもアップしたという。
その反面、車両重量は1640kgと重くなっているが、重量は乗り心地に効く。どっしりした落ち着きは、より高級感を増したような感じだ。ブレーキにとっては不利ともいえるが、現代のディスクブレーキと容量をもってすれば、いかようにもチューンできる。むしろ、重量はロック点を上げることになるから、FF車にとっては有利かもしれない。
さらに、このクルマの場合はソフトトップを後ろに畳むから後輪荷重が増えて、前後配分が改善される。ゆえにアンダーステアも軽くなる。もともとサーブは、アライメント変化に航空機メーカーらしい特性を与えており、リアはバウンドするとトーアウト傾向となりアンダーステアを消す。そこに接地荷重が加われば、さらに効果的だ。これは、奥で曲率が小さくなっているコーナーで、ステアリングを切り増すような状況ではっきり効果を確認できる。
また、負荷が増せばターボの過給圧は高まるから、パワーに不足などあろうはずもない。キビキビとした軽快感よりも、どっしり落ち着いた走行感で、ゆったり流すのがこのクラスのカブリオレの味わい方だが、緩急自在も悪くはない。その気になって走れば、9-3カブリオレは速いクルマだ。
しかし、カブリオレで一番評価の配点が大きいのは、スタイリングだと思う。カッコイイと思って見送るわけだから、斜め後方からみたテールの造形などが、すべてに優先するといっても過言ではない。その点、9-3カブリオレはソフトトップが完全に収納されて、端的にいってカッコイイ。ニュービートルなどは、あえて畳んだソフトトップを見せてクラシックな雰囲気を作り出している。そういえば900の時代には、エリマキトカゲのようなリアスポイラーを持っていた。新しい9-3カブリオレにはそうした空力的な付加物は見当たらないが、高速道路でもそれほど髪の毛は乱れなかった。
また、リアウインドーは熱線入りのガラスを採用。フレームも従来より1本増えたことで剛性も上がったし、トップを上げた時の姿も見映えがよくなった。それでもなお、9-3カブリオレはオープンの方が美しい。
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ボディの剛性アップに加え、衝突時はもちろん横転時の安全性も確保した結果、EURO-NCAPでは5つ星を獲得。結果として車両重量はややヘビーとなるが、10・15モード燃費は9.8km/リッターと、9-3セダンと同値をマーク。 |
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クラス最速の約20秒で開閉するソフトトップは、30km/h以下なら走行中でも作動可能。オープンエアの爽快感と、クーペさながらのスポーティな走りを瞬時に手に入れられる。 |
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リニアは16インチの10スポークアルミホイールに215/55R16のタイヤが標準装備。 |
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オープン時でもゴルフバッグが2個入るトランクスペース。さらに自動可変式トランクにより、クローズド時には幌収納ケースが畳まれることでさらなるスペースを確保できる。 |
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まず、最初に導入されたのがこちらのリニア。直4DOHCにインタークーラー付き低圧ターボを組み合わせ、175ps/27.0kg-mを発生。209ps/30.6kg-mを発生するエアロは12月上旬からの発売となる。 |
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洗練されたスカンジナビアンデザインを採用する室内。オートエアコンは開閉時に自動的にマニュアルに切り替わり、11段階の温度調節が可能。 |

 
フロントシートはカブリオレ専用で、ハイサイドエアバッグ、シートに一体化されたインテグレートシートベルトなど、安全性はさらに向上。一方のリアシートには、快適性を追求した最適のシート角が与えられる。
 

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