ランドローバーの末弟、フリーランダーがマイナーチェンジを実施した。
今回は内外装の意匠変更がメインだが、効果のほどはご覧の通り。
独自性の主張は、一層明確になっている。
また、現代的SUVテイストの新グレードが用意されたことも注目のポイントといえそうだ。


リポート|小野泰治|T.Ono(本誌) フォト|佐藤俊幸|T.Sato

 同じセリフを何度も繰り返す年寄りの説教みたいで本当はイヤなのだが、重要なポイントだから改めていわせていただく。やはり、ランドローバーのクルマは、後発メーカーが作る競合車とはひと味違う。最も大きく異なるのは、彼らの製品が常にオフロードにおける走破性を主眼として作られている点だ。もちろん、それはとりあえずの「急場凌ぎ」ではなく、常用できる機能として確立されたもの。ディフェンダーやディスカバリー、そしてレンジローバーに見られる長大なホイールストロークなどは、その最たる例だろう。
 こうした姿勢は、エントリーモデルであるSUVのフリーランダーでも変わらない。ただし、このクルマでちょっとばかり難解なのは、単にスペック表を眺めただけでは真価がわかりにくいところ。サスペンションの形式自体は、前後とも普通のストラットだし、4WD機構も単純なビスカス・カップリング。副変速機が付くわけでもなければ、ホイールストロークに格別余裕があるワケでもない。
 しかし、実際に付き合ってみれば、このクルマが優れたオフロード性能を持つ本格派であることが理解できる。同クラスの競合車、たとえば日本製のライトクロカンあたりと比較すれば倍近い容量を誇るダンパーやゴツいアーム類、そしてラダーフレームをビルトインした強固なボディは、無類のタフネスぶりを発揮。ソノ気になればSUVの領域を超えたオフロード性能を発揮してくれる。また、自慢のHDC(ヒルディセント・コントロール)は、悪路におけるイージードライブ化も実現。このような、使ってみてこそ分かるメリットの数々こそ、ランドローバーの「ひと味違う」部分なのだ。
 さて、そんなフリーランダーだが、'04年モデルではフェイスリフトを実施。といっても、基本的なハードウェアは'01年以降の仕様と同じ。変更されたのは、もっぱら目に見える部分だ。まず、レンジローバーのイメージを踏襲したクリアレンズのヘッドライトを筆頭にフロントマスクを一新。同時にヘッドライトの光量を70%増加している。リアも、テールランプの位置を高くして視認性をアップさせるなど、細部に変更を受けた。
 だが、最も大きく変わったのはインテリア。インパネは、これまたレンジローバーの風味を採り入れたデザインを採用、質感を大幅に向上させている。また、シートもサポート性をアップさせた新タイプになるなど、居住性は全体にワンランクアップしている。
 今回は、この'04モデルを英国のマンチェスターで試乗したワケだが、日本に導入される2.5リッターのV6を搭載した5ドアの走りは基本的に従来と変わらなかった。オフロードコースでは、前述の魅力を十分に堪能できたし、オンロードにおける軽快感も相変わらず。ただし、試乗車が装着していた17インチタイヤはオーバーサイズというのが正直なところ。日本で乗った16インチと比較するとゴツゴツとした路面からの突き上げが目立ち、ロードノイズも大きめ。日本仕様は、上級グレードのHSEに標準装着の予定というが、唯一気になる部分ではあった。
 この点でむしろ好印象だったのは、いまのところ日本に導入予定のない新グレードの「スポーツ」。ノーマルより30%ハードなスプリングと専用ダンパーを装着、タイヤも18インチとなり車高が30mm下がった仕様だが、乗り心地はむしろ17インチ仕様よりフラット。オンロードでの身のこなしも、たしかにノーマルよりスポーティだったりする。この種のクルマにローダウン仕様が必要か、という話はさておき、日本におけるSUVの使われ方を考えると導入を検討する余地は十分にあると思えた。
 


「ツインポケット」とランドローバーが呼ぶ2眼ヘッドランプは、これまたレンジローバー譲り。フロントマスクは、精悍なイメージだ。なお、日本に導入されるのは'04年モデルから5ドアのみとなり(グレードはHSEとSEの2種)、3ドアはラインナップから落ちた。
  日本仕様のエンジンは2.5リッターのV6のみで、ミッションは5速ATとなる。現地には2リッターのターボディーゼルと1.8リッター直4ガソリンも用意される。
  ノーマルよりハードなサスペンションと、18インチタイヤ(235/50)を装着する新グレードの「スポーツ」。車高は30mmのダウンとなるが、ランドローバーによれば走破性はさほどスポイルされていないという。


  LAND ROVER FREELANDER HSE
■全長/全幅/全高(mm)
4380/1810/1770
■ホイールベース(mm)
2555
■トレッド(前/後)(mm)
1535/1545
■車両重量(kg)
1600
■エンジン種類
25K/V6DOHC 24V
■排気量(cc)
2497
■最高出力(ps(kW)/rpm)
177(130)/6250
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
24.5(240)/4000
■トランスミッション
5AT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル:ストラット/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:ドラム
■タイヤ(ホイール)
225/55R17(7J)
■東京標準現金価格
¥3,650,000
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。



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