シンプルかつ凄みを効かせた四角いボディだが、失礼ながら風情は弁当箱的。
だがアルト・ラパンの新グレード、SSの走りはいまどきの軽としては珍しいほど熱いものだった。


リポート|橋澤 宏|H.Hashizawa フォト|本池邦雄|K.Motoike


 女性ユーザーが全体の78%を占めるというアルト・ラパンに、男性ユーザーを狙うスポーツモデル、SSが導入された理由はズバリ、ユーザーの声。チューンドカーが集結するオートサロンで、レースカー調にアレンジしたラパンを展示したところ男性マニアからの反響が大きく、それが決め手となって今回の発売につながった。
 そうした経緯から男性に照準が絞られたとあって、SSの内容はさすがにヤンチャだ。専用丸形ヘッドランプやネット形状のグリルがおごられたエクステリアは、特有の可愛らしさが排除され悪ガキ≠フ印象に一転。黒を基調とするインテリアも、専用バケットシートやアルミ調のダッシュパネル、MOMO製ステアリングが標準装備され、高性能な走りを期待させる男っぽいデザインになった。
 しかし、スポーツモデルを主張するのはデザイン面に限ったことではない。実をいえば、性能こそがSSの大きな魅力となっている。
 搭載するK6A型エンジンは軽自動車の上限というべき64
psを発揮するが、現在この性能を持つライバルは数えるほど。しかもマニュアルミッション仕様が設定され、専用サスペンションが採用されるなど、軽自動車では際立った運動性能が自慢になっている。
 それだけに、搭載する直列3気筒DOHCターボエンジンは660ccと小排気量だが、現代のハイパワーに慣れた身体でもそこそこ緊張感を覚える威勢の良さを発揮。軽快に100km/hまで登り詰めたその後も、まだ加速を弱める気配がないほど高速域も力強い。適度に締め上げられた専用サスペンションも、FF特有のアンダーステアが少なく積極的な走り込みが堪能できる実力だ。
 実際、試乗を終えたときには手に汗をかいていたほど。いまやスポーツモデルの存在が稀少な軽自動車界において、このヤンチャな走りは注目を浴びることだろう。



 
SUZUKI ALTO LAPIN SS(5MT 2WD)
■全長/全幅/全高(mm)
3395/1475/1495
■ホイールベース(mm)
2360
■トレッド(前/後)(mm)
1290/1280
■車両重量(kg)
800
■乗車定員(名)
4
■エンジン種類
K6A/直3DOHC 12V+ターボ
■排気量(cc)
658
■最高出力(ps(kW)/rpm)
64(47)/6500
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
10.8(106)/3500
■10・15モード燃費
19.4
■トランスミッション
5MT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル:
トレーリングアーム/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:ドラム
■タイヤ(ホイール)
165/55R14(4.5J)
■東京標準現金価格
¥1,123,000
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
 
  エンジンは、型式名こそ同じだがノーマル系ターボより4ps、2.3kg-mのアドバンテージを持ち、より高回転型になっている。

  タイヤは、ノーマル系より1サイズ拡大された165/55R14。足回りは、減衰力をアップさせたダンパーの配置を最適化。スプリングも強化するなど、ホンキのチューニングが施される。車高もノーマルより10mmダウン。

インテリアは、MOMOの3スポーク本革巻きステアリングやシルバーのインパネガーニッシュ、スポーツバケットシート(ランバーサポート付き)などで走りの気分を盛り上げる。ミッションも、SSでは4速コラムATの他に、5速フロアシフトをチョイスできる。
  SSのボディカラーは計5色を用意。今回、アルト・ラパンはSSの設定に加え、ノーマル系も前席ベンチシートを採用した「L」グレードの追加や、NAエンジンの燃費改善&ローエミッション化(「超-低排出ガス認定」★★★を取得)といった小変更を受けた。
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