フォト&リポート|柴田幸治|K.Shibata 構成|尾島信一|S.Ojima(本誌)
取材協力=ラシメックスジャパン TEL:03-3736-7300
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なんといってもガルウィングだ。いまやガルウィング式ドアのクルマ自体珍しいが、それがM3ベースというのだから痛快極まりない。しかも、その心臓部にはM5用のV8ユニットを移植。そして「ラスベガスウィング」という一種脳天気ですらあるネーミング。すべてが規格外のチューナー、それがハーマンの本質だ。
リチャード・ハーマン代表は、ドクターストップのかかる'86年まではプロフェッショナルドライバーとしてドイツのレース界を支えてきた一人だ。F3やグループC、DTMなどにレーシングドライバーとして参戦し、ドイツ・ツーリングカートロフィーではBMW・M1で3勝をあげている。
そんなハーマン氏が引退後に立ち上げたのがハーマン・モータースポーツだ。彼にとって、それまで自分のクルマを製作することはお気に入りの趣味だった。その趣味をビジネスにしてしまったのだから楽しいのは当然。その“楽しむ”ということが、いわばハーマンのポリシーであり、だからこそ奇抜なアイデアが生まれるのだろう。快作、ラスベガスウィングがその何よりの証拠だ。
そして、見た目も派手だが、とんでもなく速いクルマだ! というのがラスベガスウィングの第一印象。外観は飾りすぎるくらいに飾り、エンジンはM5用のV8を押し込んで485psを叩き出す。エンジンチューンはインレット・エキゾーストのライン変更、改良、それとロムチューンのみだ。
意外なのは、フロントヘビーゆえの回頭性の悪さが感じられないこと。多少ヘビーではあるが、M3と比較しても大差は感じられない。その秘密は、足回りとボディ補強にあるのかもしれない。
乗り心地は、エンジンパワー相応に足回りが固められている関係でかなりハードな印象。その代わりにコーナーでの振る舞いは絶品で、ハデなエクステリア同様、エンターテインメントに徹したセッティングもこれはこれでアリだと思えた。元レーサー、ハーマン氏が腕によりをかけ開発したフラッグシップなのだから。
その他、ロムチューン等により485psを発揮するZ8や、2.5リッターから3リッターにまでボアアップした325tiも、ならではの刺激十二分。とにもかくにも何が飛び出すのかまったく予測不能、それがハーマンの魅力なのだ。
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ラスベガスウィングのエクステリアは相当デコラティブ。スケルトンのボンネットからはV8エンジンが覗く。 |
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Z8はロムチューンと排気系チューンにより485psを発揮。シンプルなエアロパーツも装着している。 |
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325tiはボアの拡大により排気量を3リッターにスープアップ。その他機能系チューンと合わせて最高出力は240psに。 |
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ラスベガスウィングに移植された5リッターV8DOHCユニット。やはり485psを叩き出し、その速さはまさに異次元。 |
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クルマから想像するよりもはるかにダンディなリチャード・ハーマン代表。レーサーとしても一流だった。 |
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