WRC(世界ラリー選手権)に準じるJWRCにイグニス(スイフト)で参戦しているスズキ。
そこで得た技術をフィードバックしたモデルが、このスイフト・スポーツである。


リポート|山城利公|T.Yamashiro フォト|赤松 孝|T.Akamatsu

「泣く子も笑う79万円」というテレビCMでもお馴染みのスイフト。1.3リッターエンジンを搭載したコンパクトなボディは適度にアイポイントが高く、女性でも運転しやすいのが魅力。もちろん、79万円からというお買い得な価格設定も大きなセールスポイントとなる。
 そのスイフトに、新たに3ドアモデルのスポーツが設定された。JWRCで活躍しているスイフト(イグニス)をモチーフにした専用エアロパーツで武装するスポーツは、これまでの“ただ安い1.3リッター車”というスイフトのイメージを一新する、シリーズのイメージリーダーとなるモデルだ。
 と同時に、そのエクステリアに見合うように走行性能をも強化しているスポーツは、「スズキらしいスポーツイメージを国内でも広めたい……」という、そんな思いを持った開発陣がど真ん中の直球勝負で開発したモデルでもある。だから、実際に走らせてみると、単なるカッコだけのイメージカーでないことがすぐにわかる。
 エンジンは、シボレーブランドのクルーズに搭載される1.5リッターM15A型と基本的に同じだが、圧縮比を11.0まで引き上げつつ、アルミ鍛造ピストンやVVT機構を採用。さらに、吸排気系にまでチューニングを施すことで115ps/14.6kg-mの性能を得ている。これに専用のクロスした5速MTを組み合わせることで、俊敏な加速フィールを実現している。
 ボディについては、専用のローダウンサスペンションの性能を最大限に生かすために、各主要部位に補強が行なわれ剛性アップが図られている。この補強とサスの剛性アップが効果的に働き、ハンドリングは正確かつダイレクト。特にコーナリング時のロール剛性が高く、リニアな回頭性を示してくれるのが特徴だ。また、左右のフロントサスを繋ぐ大型パフォーマンスロッドを追加した効果も大きく、例えば低・中速コーナーが連続するような場面でも、しっかりとステアリング操作にクルマが追従。自分のドライビング技術が上達したと錯覚させられるほど、機敏なフットワークを体感できる。
 さらに、チューニングはブレーキにまで及んでいる。そのブレーキ系ではマスターシリンダーの取り付け位置やペダル配置などを見直すことで、操作時の剛性感アップと踏力に対するリニアなフィーリングを確保。そのため、高速域からのハードブレーキに対しても安定性が高く、確実なブレーキングを行なうことが可能だ。
 そのほか、レカロ社との共同開発によって生まれた専用フロントシートは、ヒップポイントがやや高いことを除けばかなりの好印象で、コーナリング中でも身体をしっかりとホールド。本革巻きのステアリングやシフトノブの感触もよく、ドライバーの気分を盛り上げてくれる。
 これだけ要所をキッチリと押さえたチューニングが施されていながら、119万円という価格はかなり魅力的といえるだろう。

 
  インテリアでは、カーボン調塗装を施したインパネセンターメーター&クラスター、ギアシフトガーニッシュ、青色LED照明式メーターなどがスポーツの専用装備として与えられる。もちろん、エアコンも標準装備される。


フロントシートはレカロ社との共同開発によるもので、基本フレームをスズキが設計し、身体の支持構造やパッドのチューニングをレカロ社が担当している。ややヒップポイントが高いことが気になるものの、ホールド性が高く、座り心地も良好。


 
SUZUKI SWIFT SPORT
■全長/全幅/全高(mm)
3620/1650/1525
■ホイールベース(mm)
2360
■トレッド(前/後)(mm)
1420/1405
■車両重量(kg)
930
■乗車定員(名)
5
■エンジン種類
M15A/直4DOHC16V
■排気量(cc)
1490
■最高出力(ps(kW)/rpm)
115(85)/6400
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
14.6(143)/4100
■10・15モード燃費
16.0
■トランスミッション
5MT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル:
I.T.L/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:ディスク
■タイヤ(ホイール)
185/55R15
■東京標準現金価格
¥1,190,000
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※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
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