生まれはアメリカだが、いかにもホンダらしいSUV、エレメントが上陸した。
このクルマ、個性的なデザインやセンターピラーがない観音開きのドア、使い勝手に優れたインテリアなど、RVとしての見どころは盛り沢山だ。
でも、一番の魅力は機能とは別のところにあった。それは……。
リポート|斎藤聡|S.Saitoh フォト|郡大二郎|D.Kori
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エレメントは、開発チームのほとんどがアメリカ人スタッフで構成され、企画から生産にいたるまで一貫してアメリカで行なわれたSUVだ。ターゲットは、現在アメリカのカルチャーをリードしている“ジェネレーションY”と呼ばれる20代前半の世代。アクティブなライフスタイルにマッチした、あるいはそういったライフスタイルを呼び起こすようなクルマを狙って開発されたのだという。
生まれがアメリカなだけに、ボディは大柄。全長こそ4300mmと短めだが、全幅は1815mmもある。全高も1790mmと高く、全体に大きなハコのような印象だ。ホンダではライフガードステーション(ライフセーバーがスイマーやサーファーを見守る小屋。アメリカの若者にとって、自由な生き方を象徴する憧れの対象とか)をモチーフにしたというが、なるほどタフで機動性に富み、頼りになるたたずまいは、それを彷彿とさせる。樹脂製フェンダーやリアアンダーパネルなども飾らない、いかにもアクティブな雰囲気だ。この樹脂パネル、イメージだけでなく実際にキズがつきにくく結構ラフな扱いにも耐えるという。
室内もスクエアなボディ形状そのままに、大きなハコ(小屋?)の中に入っているようでクルマに乗り込むという印象は薄い。幅と高さがたっぷりある恩恵で、閉塞感がないからなのだろう。リアシートのスライド量が大きく、シートを目一杯下げると広大な空間が前席との間に広がるのも、そんな印象を強くしている要素のひとつに違いない。自慢の観音開きのドアを開ければ、開放感は文句ナシ。後席への乗り降りも楽しい。
エンジンは、2.4リッターのDOHCi-VTEC(160ps/22.2kg-m)で、4速ATと組み合わされる。駆動方式は、ホンダ独自のデュアルポンプ式フルタイム4WD。走らせてみると、その大柄なボディのわりに重量感はなく意外なほど軽々と走り出す。低中回転域のトルクをしっかり出したエンジンとの相性はいい。特に官能的というわけではないが、楽しい遊びのためのハコを移動させるためのエンジンとしては十分だ。
乗り心地もラフなところはない。リアシートでは、多少路面からの突き上げを感じるが、入力の角が尖っていないので不快感は少ない。コーナーでもロール感が少なめで、ガシッと広いトレッドが路面に踏ん張るような安定感があった。
気になったのは、たぶんタイヤの性格によるものだと思うのだが、直進付近の反応がやや曖昧で、微舵の応答が大味に感じられてしまうところ。そのため、直進性にどっしりとした落ち着きがあまり感じられない。また、狭い路地を走るような場面でもステアリングの手応えが甘いので、ボディの大きさを意識させられてしまう。もっともこれは、中立付近の手応えがいいタイヤに履き換えてしまえば解消する程度の問題だと思う。
でも、このクルマの魅力はそういった操縦性のアレコレなどどうでもいいじゃないか、と思わせる楽しい気分を発散しているところだろう。走らせていると、気軽に荷物を積み込んでどこかに出掛けたくなってくるのだ。試乗会場を沖縄にしたホンダの企みに、まんまとハマッてしまった気がしないでもないが、「終わらない夏とエレメント」の組み合わせはドンピシャ。遊びの似合うクルマが、久々に登場したという気がする。

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HONDA ELEMENT |
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| ■全長/全幅/全高(mm) |
4300/1815/1790 |
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| ■ホイールベース(mm) |
2575 |
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| ■トレッド(前/後)(mm) |
1575/1580 |
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| ■車両重量(kg) |
1560 |
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| ■乗車定員(名) |
5 |
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| ■エンジン種類 |
K24A/直4DOHC 16V |
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| ■排気量(cc) |
2354 |
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| ■最高出力(ps(kW)/rpm) |
160(118)/5500 |
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| ■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm) |
22.2(218)/4500 |
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| ■10・15モード燃費 |
10.6 |
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| ■トランスミッション |
4AT |
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| ■サスペンション(F:R) |
ストラット/コイル:
Wウイッシュボーン/コイル |
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| ■ブレーキ(F:R) |
Vディスク:ディスク |
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| ■タイヤ(ホイール) |
215/70R16(6.5JJ) |
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| ■東京標準現金価格 |
¥2,590,000 |
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| 問い合わせ先 |
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| ※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。 |
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ボディ下部をグルリと一周する新開発の樹脂製パネルは、優れた耐スクラッチ性がウリ。塗装レスとしたことで、デザイン上のアクセントにもなっている。 |
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動力性能は、必要にして十分といったところ。背は高いものの、横方向に大きなボディの恩恵で、コーナーにおける安定感も高い。乗り心地も、乗用車ライクな仕上がり。 |
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ホンダ独自のi-VTEC機構を搭載する2.4リッターユニットは、低回転から十分なトルクを発揮。エミッション性能は、超-低排出ガス(★★★)レベル。 |
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エクステリアは、ライフガードステーションがモチーフ。ボディカラーはオレンジ、シルバー、ブラック、グリーン、ベージュの5色が用意されるが、すべてパールないしはメタリック。ソリッドカラーの設定はない。 |
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エクステリア同様、基本的にはシンプルなデザインのインパネ。収納スペースも豊富に用意される。腕時計をイメージしたという独立3眼メーターは、3次元構成のコーンシェイプレンズを採用する。 |
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フルフラットにもアレンジできる前後シートは、撥水コーティングを施した表皮裏面にポリエステルポリウレタンをラミネート。優れた防水性を発揮する。シートカラーは、ボディ色に応じて3パターンを用意。 |
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左右跳ね上げ式のリアシートを畳むと、フラットな床面が出現。濡らしてもモップなどで拭けるワイパブルフロアは、表面にウレタンコートを施し優れた耐久性も実現している。 |
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