1957年8月9日生まれ。国籍はフランス。
仏ESAG、英RCAを卒業後、仏、伊、独、日本のメーカーで
様々なクルマのデザインを手掛ける。
2年前、ダイムラークライスラーから、三菱自動車に移籍。

5月14日夕刻、三菱自動車の新社屋の一室。
オリビエ・ブーレイ氏は疲れ気味の様子だったが、ゴキゲンではあった。
この日、彼は新型グランディスの発表会で、社長より先に、開発プロジェクトリーダーより先に、そのデザインを解説するという重要な役割を果たす。
彼は、まるでひとつの舞台を終えた
エンターテイナーのようだった。


 グランディス発表会でのオリビエ・ブーレイ氏は、颯爽としてとてもカッコよかった。三菱自動車は先頃、品川グランドコモンズに立つ品川三菱ビルへ移転して、連休明けから稼働したばかり。そこの真新しいホールのステージで、彼は新型グランディスのデザインを、そのデザインチームとともにプレゼンテーションした。開発プロジェクトリーダー、社長も差し置いて、発表会のオープニングステージを見事に仕切ったのである。こういうパターンはきわめて稀。それは新型グランディスの訴求ポイントがなによりもデザインにあることを表し、新しい三菱自動車がいかにデザインを重要視しているかの証左でもあった。
 このインタビューで解き明かしたかったのは、ミツビシ・デザインのこれから、というものだったが、発表会の当日である。話はもちろん、新型グランディスのデザインからスタートする。

――ブーレイさん、今日のプレゼンテーションはとてもクール、カッコよかったです。
「(日本語で)あっ、そうですか。ありがとう(笑)」
――でも、デザイン説明が発表会の最初にくるのは驚きでした。
「それは、このグランディスこそが、今後のミツビシ・デザインの方向性を示すものだからです。このクルマのデザインは2年前の2001年にスタートしています。私がミツビシに正式に赴任する前のことですが、2時間ほど開発陣とミーティングをもちまして、スリーダイヤのマークをどう扱って、アイデンティティフェイスをどう作っていくのかなどを話し合いました。このクルマについては、すでにいくつかアイディアスケッチはありましたが、私はもっとスポーティに、もっとエモーショナルに、それにもっと日本らしさを出して欲しいと要求しました。5月に日本に戻って、改めてミーティングを持った時、驚いたことに、すでにこのグランディスの美しいデザインがほとんど仕上がっていました。デザイン部門スタッフは、実によく私のいうことを理解してくれました。上層部へのプレゼンテーションでも、非常によい反応が返ってきましたね。不思議なもので、クルマのデザインがよければ、すべてがよい方向に進むものです。エンジニアたちのモチベーションも上がります。なにか問題があったとしても、積極的に解決しようと動いてくれます。このグランディスは、まさにそうした経過を辿ってきたクルマなのです。私が発表会で最初にプレゼンテーションを行なったのは、デザインが重要なクルマであることを、そうした過程で生まれてきたことを皆さんに伝えたかったからです」
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