[ランドローバー・レンジローバー]
SUVのベンチマーク的存在として、その孤高の地位を誕生から現在に至るまで守り抜いているレンジローバー。
孤高なる者の視野にあるのは追随してくる者たちではなく、カテゴリーを超えたライバルだ。
競合相手をSクラスやBMW7シリーズといったプレミアムサルーンとする新生レンジにとって、
大命題だったのは絶対的なオンロード性能の向上。それが成功裏に終わっていることは、乗り出し1分でわかる!
解説|松村俊司|T.Matsumura  フォト|郡大二郎|D.Kori
[Vehicle Data]
■輸出国:イギリス ■生産国:イギリス ■排気量:4.4リッター
■価格:¥7,950,000(SE)〜¥9,850,000(VOGUE)
■取材車:VOGUE(ザンベジ・シルバー/¥9,850,000)
※価格はオプション除く
※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
[What is LAND ROVER RANGE ROVER?]
3代目レンジローバーのデビューは、'02年1月のデトロイト・ショー。ヨーロッパでは3月から、日米では7月からデリバリーが開始されている。日本に導入されているのはBMW製4.4リッターV8搭載のガソリンエンジン車のみで、トップグレードのボーグ以下、HSEとSE(受注販売)の3グレードを設定。相変わらずダントツのオフロード性能に、飛躍的に高まったオンロード性能もプラス。間違いなくレンジローバー史上の最高傑作だ。
 
   '90年代半ばにローバーグループがBMW傘下入りした時、その後ランドローバーがフォードに売却された時、いや実はもっと以前から、レンジローバーを愛する人たちはずっとヤキモキさせられてきた。オレたちのレンジローバーは、これからどんな色に染まっていっちゃうんだろう……と。
 だけど全然ダイジョーブ、そんな心配はまったくの余計なお世話だった。'94年デビュー、つまりBMW傘下入りとほぼ同時に発表された2代目レンジローバーに既存ユーザーへの裏切りはなかったし、第3世代にあたる現行モデルでもそれは同様。'70年から24年間に渡り初代をモデルチェンジしなかった頑なさと、抜群のオフロード走破性とプレミアム性の共存という独自に構築された世界は、たとえ親会社であっても不可侵だからに違いない。
 3代目レンジローバーの開発の多くは、ミュンヘンのBMWエンジニアリング部門にランドローバー社のスタッフが出向く形で行なわれた。BMWの充実した開発環境はプロダクション化に至るスピードを早め、BMW製エンジンや数々の電子デバイス、さらにシャシーのモノコック化とサスペンションの4輪独懸化についても多大な技術協力を仰ぐことができたという。
 そんな背景があってこそ3代目は絶対的なオンロード性能向上に成功したわけだが、世に出る時にはすでにBMW傘下にはなかった。その過程ではいろんなドラマがあっただろうが、なにはともあれ「サンキューBMW!」だ。どこに仕えようとも確実に自分のスキルとパフォーマンスは高めていく、そんな野武士っぽいしたたかさも感じさせるレンジローバーなのだ。
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