OPEL
オペル・ベクトラGTS
VECTRA GTS

トップスピード248km/h!
スタイリッシュな最速オペル


新型ベクトラに第2のボディ、5ドアハッチバックが加わった。
これは、ヨーロッパでは初代モデルから存在していたボディタイプだが、今回はそのキャラクターを少しばかり変えてきた。
3.2リッターV6ユニットを筆頭とする、スポーティな「クーペ」として登場したのである!

リポート|熊倉重春|S.Kumakura フォト|日本ゼネラルモーターズ

セダンの素性を生かしてファインチューニング

 最近どうも日本では消極姿勢ばかり目立ったオペルだが、やっと反省したらしい。フルチェンジしたベクトラ・セダンに続き、この秋にはスポーティ路線の新顔ベクトラGTSも発売だそうだ。このプラットフォームからは、さらに新世代スペースワゴンのシグナムや、オーソドックスなステーションワゴンも出番待ち。とにかくどんどん話題を作ってほしい。
 ベクトラGTSは、単なるセダンのパワーアップ仕様ではない。まずボディが違う。巨大なテールゲートを持つ5ドアであり、閉じれば流麗なファストバックになるのが最大の特徴。当然ワゴンでもなく、いかにも活動的で軽快なイメージが濃い。もちろん内部のスペースは広大で、後席を折り畳むと奥行き1.8m以上にもなる。もともとCクラスや3シリーズよりルーミーなベクトラの良さを、さらに伸ばした感じだ。
 さて、いろいろある中で日本向けに予定されているのは、3.2リッターのV6を積む仕様だ。211psの数字こそたいしたものではないが、感触としては240psぐらいありそう。それもグワッと出るのではなく、低回転からじっくり腰を据えて1.4トンのボディを持ち上げる、いわばための効いたフィーリングが魅力だ。中速あたりから軽く踏んだ瞬間の、さっくり素直なレスポンスも嬉しい。こういう実質重視の設計が、オペルは非常に上手い。
 もちろん全体に余裕はたっぷりで、メーカー公表値の最高速248km/hはともかく、アウトバーンでの220km/h巡航は鼻唄まじりだ。ガシッと腰を沈めた直進安定性も文句ないし、風切り音もワンランク上級のスポーツセダン並みに低い。
 変速機は5MTと4ATの2種類だが、とりあえず日本向けはATだろう。もちろんマニュアルモード付きだが、Dレンジの学習機能もなかなか利発なので、ちょっと活発な日常生活にも好適だ。
 こんなパワープラントとシャシーの味付けも非常に合っている。形式としては前がマクファーソン、後ろがウイッシュボーン的な4リンクと特に凝ったものではないが、とても素直にタイヤを接地させ、巧みに性能を引き出しきっている。同じ17インチながら215/50と225/45のどちらでもほとんど差が出ないのが証拠だ。ステアリングに対する反応も素直なら、極端に攻めても負けず、急激なアクセル操作に対しても妙な姿勢変化が少ない。個性が鋭くない代わり、常にドライバーが自らの意志で操っている実感を持てる。セダンで好印象だった基本的なフラットさもそのまま。噂では、シャシーの最終セッティングにはポルシェも参加したとか。これなら威張りくさった(?)既成ブランドをカモるのも難しくない。
 そういう目で全体を見直すと、どこもかしこも神経に障る部分がない。ダッシュボードなどあっさりしすぎているようでもあるが、オーソドックスなメーター類あたり、やたら新しがったものより、ずっと読みやすく安心できる。メーカーの信念はこういう部分にも現れるものだ。セダンより少しずつスポーティでありながら、普通に使う時の乗降性も犠牲にしていないシートも評価したい。
 逆にいえば、いろいろ華やかなスポーツセダンがある中では目立ちにくいかもしれない。それだけに必要以上に気張らず、実質重視で「ちょっと上」のクルマ生活を求める良識派には絶好の一台だろう。ファミリーセダンとしての優しさとドライバーズカーとしての骨太感の、実に巧みな融合でもある。あとは「より良い生活のための、創造的なドイツの技術」という長ったらしいメッセージを、どう日本に浸透させるかだ。
 

  ESPの凝り方は世界一。普通は最も影響の大きい1輪のブレーキにだけ作用するものだが、ベクトラの場合、荷重が抜けやすい内側後輪を除く3輪それぞれ別個に制御する。
  穴あきレザーステアリング、クロームメッキのインリアパネルやメーターリングなど、インパネにはスポーティな雰囲気を演出するアイテムが。5ATはマニュアルモード付き。
  サイドサポートの張り出したスポーツシートはGTS専用装備。レザーシートの表皮もセダンに違わず仕立てのよいものだ。
  クーペスタイルの証となる弓なりの弧を描くルーフが、クリーンなフォルムに躍動感をプラス。リアはスモーク化されたコンビランプ、テールゲートスポイラーなどが特徴。スポーツサスにより、車高は20mm下げられている。
  リアセクション以上にスポーティな装いとなるフロント部。スモーク化されたヘッドランプ、大型化されたバンパーのエアインテークなどで差別化が図られている。ラジエターグリルもハニカム形状とされている。
  オペルは「クーペ」を標榜するが実質的にはハッチバックのため、実用性は高い。通常はセダンと変わらぬ500リッターのラゲッジスペースも、シートバックを倒せば1360リッターにまで拡大する。
  日本で発売されるGTS は3.2リッターV6と5AT(マニュアルモード付き、アイシンAW製)の組み合わせを予定。パワースペックは211ps/6000rpm、30.6kg-m/4000rpm。
 
Specification OPEL VECTRA GTS 3.2  
■全長/全幅/全高(mm) 4596/1798/1460  
■ホイールベース(mm) 2700
■トレッド(前/後)(mm) 1535/1525
■車両重量(kg) 1390  
■エンジン種類 Y32SE/V6DOHC24V
■排気量(cc) 5665  
■最高出力(ps(kW)/rpm) 211(155)/6000  
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm) 30.6(300)/4000  
■トランスミッション 5AT  
■サスペンション(F:R) ストラット/コイル:
4リンク/コイル
■ブレーキ(F:R) Vディスク:Vディスク
■タイヤ(ホイール) F:245/45ZR17(8.5J)
R:275/40ZR18(9.5J)
 
問い合わせ先=日本ゼネラルモーターズ
※上記スペックは本誌発売当時の値です。
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