[2008/10/24]
大学生が本格フォーミュラマシン開発プロジェクトを“競う”
全日本学生フォーミュラ大会 観戦記 VOL.1
大学生たちが本格的フォーミュラマシンを自らの頭脳と手で企画し、設計し、製作し、走らせる。そのトータルパフォーマンスを“競う”イベントが「学生フォーミュラ大会」。日本国内では6回目を迎える2008年の大会が静岡県・小笠山総合運動公園“エコパ”で開催された。その概況を3回に分けてお届けする。
大学生時代から「ものづくり」に踏み込む。その競技の起源はアメリカ
9月10~13日、今年の「全日本学生フォーミュラ大会」が開催された。2003年の初開催から数えて今回が6回目になるのだけれど、このイベントの内容と意味を知る者にとっては、それ以前、2000年から日本の大学合同チームがアメリカの大会に“遠征”を始めたところにまでさかのぼって思いを巡らすことになる。
そう、もともとはアメリカの自動車技術会、SAE(Society of Automotive Engineers:単なる技術研究の学会ではなく自動車やその部品、機器などの規格制定、あるいは航空技術などまで幅広く活動している)が始めた「フォーミュラSAE」が原点。学生たちが自ら企画し、調べ、考え、設計し、加工し、組み立て、走らせる…というプロジェクトを運営する。そしてその成果を“競い合う”場を設ける。
今まさに日本でも起こっていることなのだが、自動車を、そして工業製品を創り出す人々の発想力が低下している。製品を送り出すシステムが安定すると、いつも同じプロセスを繰り返せば、とりあえず問題のない(ように見える)モノはできるようになる。しかしそこには停滞を生み、技術や産業そのもののエネルギーが退化する危険性が潜んでいる。
もう四半世紀以上も前のアメリカに、それを危惧したエンジニアたちがいたのだろう。モノを考える基礎トレーニングを受けている大学生の時代に、自由に発想を広げ、でもそれを現実にすることの難しさを、そしてさらに「モノを作る」ことの難しさと面白さを実体験する。そういプログラムを組み立てて「フォーミュラSAE」という“コンペティション”を動かし始めたのだった。











