[2008/11/19]
軽自動車が3割以上を占める日本特有マーケット
【連載コラム】クルマが夢でなくなる日 -4-
次のお題は「若者のクルマ離れ」が販売不振の元凶なのか。考察に入る前に実はもう一つ日本ならではの特徴、「軽自動車が物凄い勢いで増えている」という事実を考えてみたい。
現代においても軽自動車に対する優遇は必要か
前述の通り、乗用車はバブル期から15%ほどしか減少していないが、これは登録車と軽乗用車を合計した場合で、登録車だけでみると30%以上も落ち込んでいる。この間、軽乗用車は逆に80%ほど伸びている。つまり日本の乗用車マーケットに占める軽自動車の割合が急激に伸びているのである。表2から、自動車全体に占める軽自動車の割合は1980年から2007年の間に大目に見て2倍弱、15ポイントほど上昇している。それに比べ、乗用車に占める割合だけでみると同じ期間に27ポイントほど伸びている。5倍以上という激増ぶりだ。
軽自動車には一定の役割があるから全否定するつもりはない。しかし、これは様々な優遇策により人為的に作られたマーケットであり、これが正常な市場の3割以上も占めていいものだろうか。
軽自動車は1955年の通産省(当時)の「国民車育成要綱案」いわゆる「国民車構想」をきっかけに普及し始めた。国民が広く自動車の恩恵を享受できるようにと「買いやすさ」や「所有のしやすさ」を実現する優遇策をいくつも提供し、それと引き換えに車体の大きさや排気量などに対して制限を設けた。これは登録車を喰ってしまわないためだ。しかし最近の軽自動車の躍進振りは、当初の目的からすると行き過ぎてはいないだろうか。
軽自動車規格はいくつもの変遷を経て今のようになった。安全性などを考慮に入れた結果、車両サイズは大きくなり、居住空間などはコンパクトカー真っ青の広さである。それでも優遇策はほとんど据え置きで、さらには心理的要素も追い風になっているようだ。つまり、昔は軽自動車を乗ることへの「体面的抵抗感」があったが、今はそれがだいぶ薄れているように思う。気がつけば自動車市場の3分の1ほどを軽自動車が占めるまでになっていたのだ。これだけクルマが一般に普及した今でも軽自動車に対する優遇策は必要なのだろうか。











