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[2008/11/14]

「クルマが売れない」と思わせる最大の原因は商用車
【連載コラム】クルマが夢でなくなる日 -3-

【連載コラム】クルマが夢でなくなる日 -3-「240万台の減少」は、バブル期から比べると市場の約1/3が消えた計算になる。一台あたり200万円とすると5兆円近い損失だ。しかし、その影響が一様ではないことが台数の内訳を見ることによってわかる。まず最大の特徴が減少した台数の7割以上の約170万台が商用車だということだ。市場が約35%にまで縮小してしまったのだ。商用車とはトラック、バンそれにバスなどを含むいわばプロ御用達の車両。公共投資の縮小、流通の効率化、モーダルシフトなど様々な要因により需要が大幅に減退してしまった。つまり産業構造の変化や政策といった乗用車とは異なる要因の影響を大きく受けた結果といえる。

一方、乗用車は登録車と軽自動車の合計ではバブル期から約70万台の減少で、ほぼ15%の落ち込みである。市場全体として30%以上が減少しており、商用車にいたっては前述の通り約65%減だ。これらと比べると乗用車はまだまだ捨てたモノではないと感じさせる。経済の状態によって1割前後の増減など十分にあり得るからだ。

ここで明らかなのは日本の経済が復調すれば商用車は少し持ち直すかもしれないものの、もう大きく復活することは構造的に難しそうだということ。そして乗用車は構造的に低迷しているのではなく、回復の希望がもてるかもしれないということだ。

乗用車と商用車は性格が異なる。乗用車は個人の移動の自由をもたらす便利な道具であるのに対し、商用車はあくまでも一種の生産財だ。商用車は前述の通り政策などに大きく影響されるので乗用車と同列に論じることができない。だから「クルマが売れない」や「若者のクルマ離れ」について考える場合、乗用車に絞る必要がある。

以上の数字から導き出される「クルマが売れない」に対して大胆に結論付けるならば、つまり日本の新車販売台数は世界的にみて普通レベルになっただけだと言える。昭和30年代の経済の急成長とともに日本のモータリゼーションが一気に加速し、バブル期にオーバーレブした。バブルがはじけて日本は「失われた10年」を迎えた。しかしそれは極端な販売不調ではなく、正常化へ向けての調整局面だったといえなくもない。今までが適性規模以上に売れ過ぎていたのだ。今のレベルが適正であり、これから業界はこのままの状態がしばらく続くという前提で考える必要がある。ただし、何もしないで手をこまねいていると更なる縮小もあり得る。そのあたりの問題をこれから考察していく。

文:白洲輪太郎

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