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ボルボ FEハイブリッド
Volvo

世界初、アルコール・インターロック付き車両販売スタート
ボルボ FEハイブリッド

ヨーロッパでは交通死亡事故の3件に1件が飲酒に関連しているという。ボルボ社は、その現状を少しでも改善するために、世界で初めて、飲酒状態ではエンジンが始動出来ない車両の販売に踏み切った。
[2008/04/10]

操作は簡単。息を吹きかけて数秒待つだけ

エンジンを掛ける前に、ドライバーが息を吹き込んでアルコール濃度を計測し、基準値以下でないとエンジンが掛からないという飲酒運転防止システムのことを、一般にアルコール・インターロックと言う。ボルボ社は独自に「アルコガード」と呼ぶが、これと同様の働きをするシステムを2008年の早い段階から、S80、V70、そしてXC70に装着することを発表した。同社は年間2000台への装着を期待しており、その後も増加し続けて欲しいと願っている。おそらく当初はオプション装着とされるであろうこのシステムの価格については、まだ明らかにされていない。

アルコガード未装着車との違いは、テレビの小型リモコン程度の大きさのセンサーユニットの有無だけだ。このユニット内部には、多くの警察が使用しているのと同じ、フューエルセル技術を応用したアルコール検知装置が組み込まれている。フューエルセル技術はまだ高価な技術だが、アルコール検知能力に優れているため、採用したのだという。
 
使用法は簡単。センサーユニットに息を吹き込むと、検知作業の状態が車両のメーターパネルに表示される。もし、基準値以上のアルコールが検出されたら、センサーのLEDが赤(0.2g/L以上)または黄色(0.1-0.2g/L)に光り、結果を知らせる。判定結果は無線によって車両のコントロールユニットに送られ、0.2g/L以上のアルコールが検知された場合には、エンジンが始動出来なくなる。

センサーユニットは車外に持ち出すことが可能で、例えばパブなどで、センサーの検査結果を参考にしながら飲む量を決めることも出来る。また、一度チェックをすると、その結果はエンジンを停止してから30分まで結果が保持されるので、頻繁に乗り降りを繰り返す場合に、毎度チェックをする必要はないという。

このシステムを世界中に広げたい

システムが血中アルコール濃度0.2g/Lをエンジン始動不可の基準としているのは、スウェーデンの国内法に合わせてのことだ。ボルボ社は、このシステムを他のヨーロッパ諸国や北米のマーケットにも展開したいと考えていて、その場合には各国の実情に合わせた基準値が設定される予定だという。

基準値の設定変更や、万一の場合(センサーユニットの紛失など)に備えてのシステムのキャンセルなどは、ボルボのディーラーでのみ行えるようにし、厳格に管理をしたいと同社は語る。その背景には、ボルボ社はこのシステムの存在をより広く社会システムに受け入れて貰いたいと考えているからだ。

ボルボ社はすでに、アルコガードシステムの開発資金を、スウェーデン国内の交通安全基金から支援を受けている。同社はこのシステムの存在意義が、さらに広い社会、例えば自動車保険会社などに受け入れられることでたくさん普及し、その結果、より安く提供出来るようになればと考えている。最終的には、装置を提供する側だけ
でなく、運転者全体が飲酒運転撲滅への意識を持って貰えるようになって欲しいとの願いが込められているのだ。

エアバッグが当初そうであったように、社会全体がその意義を認めれば、装置が装備されている車両の保険が安くなるだろうし、装置自身の単価が安くなって、幅広い車種に装着される可能性が高い。

ボルボ社は日本を含むアジアへの展開は明言していないが、欧米の次には日本への進出を是非検討して欲しいものだ。飲酒運転の検問で、ボルボ車だけは停められることなく走れる。その位に普及すれば、追従するメーカーも増えるだろう。飲酒運転撲滅に、大きな一歩を踏み出したボルボ社の功績は、非常に大きいのではないだろうか。
 
Report:染谷英一郎
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