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ボルボ最先端衝突防止技術

歩行者を察知し自動的にブレーキを掛ける
ボルボ最先端衝突防止技術

ボルボカーズ社が開発中の衝突事故発生が低減される新しい技術が1~2年のうちには実用化の見込みだという。その他にも、開発中の安全のための新技術が明らかにされた。
[2008/01/16]

レーダーとカメラによる「第3の眼」が安全性を高めてくれる

レーダーを使用し、前方の車両を検知して追突を防止する機能は、V70、XC70、S80の2008年モデルから北米仕様車、そして日本仕様でも一部標準またはオプションで搭載されている。このシステムをより広い範囲を監視するように進化させ、歩道から車道に出てこようとする歩行者をも認識してドライバーに警告。さらに自動的にブレーキまでかけてしまうというのが新しいシステムである。

新システムでは、バックミラー後方に付けられたカメラとフロントグリル内に納められているレーダーが、例えば車両が歩行者に近づくか、逆に歩行者が近づいてくるのを察知。すると第1段階として赤い警告灯がヘッドアップディスプレイに表示し同時にアラーム音を発する。それでも互いの距離が近づき衝突の危険性が高くなると、ブレーキアシスト機能が作動。ブレーキオイルの圧を高めてブレーキの効きを向上させる。しかしこの段階ではまだブレーキは作動しない。その後、いよいよ衝突が差し迫る状況になってもドライバーがブレーキを踏まない場合、自動ブレーキシステムが作動するという仕組みだ。

この自動ブレーキシステムの作動により、最大で約25km/hほどの減速が可能になるという。しかし状況によっては衝突を完全に回避することは出来ない可能性は残ってしまう。だが、ボルボ社の開発陣は「過去の事故分析から同乗者が死に至る可能性は、衝突時の速度が30km/hを越えると飛躍的に高まることが判明しています。ですから対歩行者との衝突でも、ぶつかる瞬間の速度を出来る限り低く抑えることが重要なのです」と話す。

自動ステアリングが、正面衝突を回避

車線をはみ出して走行した場合に警告が出るレーン・デパーチャー機能も、すでに一部の車種に搭載されており、レーダーとカメラを利用するシステムを利用しているが、こちらも先述と同じく監視範囲を広げることで次の段階に進もうとしている。

ボルボが開発を進めているのは、正面衝突を回避する技術である。車両が対向車線にはみ出てしまい、さらに対向車が迫って来て衝突の危険性がある場合、自動的にステアリングが作動して車両を正しい車線に戻すというシステムである。現在、同社のテストドライブチームが、システムにどれだけの角度でステアリングを切らせるのが良いか、またシステム作動するのに最適なスピードレンジがどれほどかなどの臨床実験を重ねている段階だという。

さらに、親会社のフォードがイニシアチブを取り実験を重ねている、車両間通信による情報共有システムも進められていることも明らかにされている。まだ情報共有のための「共通言語」を制定する段階にあるとはいうものの、メーカーの壁を越えた実験が進められている。このシステムが目指すのは、他の車両が得た情報をリアルタイムで共有することによる事故防止である。これが実用化されれば2~3km先を走る車両から、例えば「路面が滑りやすくなっている」とか「突然の渋滞が起こっている」などの情報を発信し、後続車に危険を知らせることも出来る。また、高速道路を連なって走る場合にスピードなどの情報を共有し、適切な車間距離とスピードを維持して理想的なコンボイを形成。交通の流れをスムーズにすることも可能となる。

今回明らかにされた安全のための新技術は10年以内には実用化が開始されるのではと考えられ、大きく期待されている。

Report:染谷英一郎
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