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試乗インプレッション

SUZUKI
WRCベースカーの素質は見出せたか?
スズキの世界戦略車である「SX-4」は、ワールドワイドに通用する走りの性能とユーティリティを持ち合わせているのか?試乗インプレッションをお届けしよう。
[2006/08/15]
WRCベースカーの素質は見出せたか?
スズキ SX-4 試乗インプレッション
スズキの世界戦略車である「SX-4」は、ワールドワイドに通用する走りの性能とユーティリティを持ち合わせているのか?試乗インプレッションをお届けしよう。[2006/08/15]
日本とイタリアのいいとこ取り?
今やクルマは一家で楽しい週末を過ごすための大切な「グッズ」である。となれば、まずは“らしい”格好であること、そして、使い勝手と室内の広さが収入も含めた自分たちのライフスタイルに合うかどうか、といったところが購入の際の大きなポイントになってくる。かくして、セダンよりはワゴン、ワゴンよりはミニバンが多く売れるという図式ができあがり、売れればメーカーはあれやこれやと趣向を凝らすから、市場には様々なタイプが投入され、「行動派の家族のためのトランスポーター」というマーケットが一気呵成に創られた。
最近、このマーケットで注目されているのが乗用車のシャシーを使用して、クロカン風に仕上げたSUVのジャンル。SUVとは、スポーツ・ユーティリティ・ビークルの略だが、ユーザーにとってはあくまで「使用目的がスポーティ」であることが重要で、その本質とされる動力性能や操安性がスポーツの延長線上にあるものではないようだ。
スズキでは「次世代クロスオーバー車」と謳っているSX4だが、これを、今のスズキのラインナップにオーバーラップさせると、コンパクトカー「スイフト」とSUV「エスクード」のクロスオーバー、つまり中間マーケットを担当する最新の世界戦略モデル、ということになる。想定する国内でのライバルは「ダイハツ・ビーゴ/トヨタ・ラッシュ(兄弟車)」といったところだろうか。
そのビーゴやラッシュと比べてどうかといえば、1.5XGでは全長で140mm長く、全幅は60mm広く、そして全高は100mm以上低い(全てルーフレール付き)。実寸では全長、全幅ともSX4のほうが大きいが、あくまで見た目の印象では、ビーゴ/ラッシュに比べてコンパクトに思えた。SX4のデザインにおける落としどころはぎゅっと引き締まったコンパクトネスだろうから、こういった視覚効果をあたえるあたり、まさに狙い通りといったところだろう。
SX4で興味深いのは、デザインがジウジアーロ氏率いるイタリアのイタルデザインとの共同作業という点だ。開発作業には、スズキ側からも多くの注文が出されたのだろうが、日本的なものとヨーロッパ的なものとが巧くバランスしていると思えた。
ビーゴ/ラッシュがいかにも日本的なSUVのスタイルを意識しているのに対して、SX4は “和風スパゲティ”のような日伊の良いとこ取りの味わいを出している。彼の地イタリアでのウケもいいようで、ハンガリー産SX4がスズキブランドほか、「フィアット・セディチ」としてOEM提供されている。ともあれ、和風スパゲティはひとまず成功裏にその立ち上がりをこなしているようだ。
最近、このマーケットで注目されているのが乗用車のシャシーを使用して、クロカン風に仕上げたSUVのジャンル。SUVとは、スポーツ・ユーティリティ・ビークルの略だが、ユーザーにとってはあくまで「使用目的がスポーティ」であることが重要で、その本質とされる動力性能や操安性がスポーツの延長線上にあるものではないようだ。
スズキでは「次世代クロスオーバー車」と謳っているSX4だが、これを、今のスズキのラインナップにオーバーラップさせると、コンパクトカー「スイフト」とSUV「エスクード」のクロスオーバー、つまり中間マーケットを担当する最新の世界戦略モデル、ということになる。想定する国内でのライバルは「ダイハツ・ビーゴ/トヨタ・ラッシュ(兄弟車)」といったところだろうか。
そのビーゴやラッシュと比べてどうかといえば、1.5XGでは全長で140mm長く、全幅は60mm広く、そして全高は100mm以上低い(全てルーフレール付き)。実寸では全長、全幅ともSX4のほうが大きいが、あくまで見た目の印象では、ビーゴ/ラッシュに比べてコンパクトに思えた。SX4のデザインにおける落としどころはぎゅっと引き締まったコンパクトネスだろうから、こういった視覚効果をあたえるあたり、まさに狙い通りといったところだろう。
SX4で興味深いのは、デザインがジウジアーロ氏率いるイタリアのイタルデザインとの共同作業という点だ。開発作業には、スズキ側からも多くの注文が出されたのだろうが、日本的なものとヨーロッパ的なものとが巧くバランスしていると思えた。
ビーゴ/ラッシュがいかにも日本的なSUVのスタイルを意識しているのに対して、SX4は “和風スパゲティ”のような日伊の良いとこ取りの味わいを出している。彼の地イタリアでのウケもいいようで、ハンガリー産SX4がスズキブランドほか、「フィアット・セディチ」としてOEM提供されている。ともあれ、和風スパゲティはひとまず成功裏にその立ち上がりをこなしているようだ。
1.5リッターモデルのアシに2.0リッターの動力性能が欲しくなる
ファミリーの総重量は約200kgといったところだろうか。実際に使われる条件を満たすべく、一番の売れセンとなるであろうFFの1.5XGに試乗してみた。試乗会場は富士山麓の朝霧高原で、適度なワインディングとアップダウンもあるコース設定だ。
まずは動力性能だが、1.5リッターのエンジンならば、これで十分(110ps/6000rpm、14.6kg-m/4000rpm)と思えるのは1人で乗った場合に限られる。やはり1190kgの車重に200kgのロードがかかると低速でのトルクがもっとあったほうがいいな、と思った。このクルマをレッドゾーンいっぱいまで回して乗るオーナーは希だろうから、高回転での伸びを大切にするよりも中低速の充実を図ったほうが、実際にオーナーとなる人、あるいは購入を真剣に検討する人の印象はいいだろう。かりに、そういう性格を望む人がいたら、2リッターバージョンを薦めればいい。
気に入ったのはシャシーのシッカリ感だった。1.5XGは205サイズのタイヤを16インチのホイールで履くが、この組み合わせだとシャシーが完全にタイヤに勝っていた。サスペンションの取り付け剛性もしっかりとチェックされていて、あたりのソフトなタイヤと相まって乗り心地も良かった。
スズキは、このモデルをベースに、2007年からの世界ラリー選手権(WRC)に参戦すると表明しているが、そうしたコンペティションの場でもこのシャシーはそのポテンシャルを発揮するだろう。ただ、気になったのは前進した太いAピラーが生み出す死角である。特に右へのコーナリングでは、かなり気になるほど鬱陶しいものだった。
次に試乗したのは2リッターの4WDの2.0Sというモデル。この2リッターエンジンはエスクードのそれをベースにしたもので、最高出力145ps/5800rpm、最大トルク19.7kg-m/4000rpmを発生する。エスクードでは縦置きのところをSX-4では横置きに転用していることから、ミッション、補器類などは新規に設計されているが、ブロックやヘッド、その他のムービングパーツはほぼそのまま流用しているそうだ。車重は1310kgで1.5リッターに比べて120kg増えているが、その重量増加ぶんを補ってあまりあるほど、動力性能の向上を感じることができた。
試乗は1.5XGと同じく3人、200kgのロードで行ったが、やはり500ccの排気量差は大きく低速から高回転まで、これならば不満なしと思えた。
乗り心地と操安性はどうか?この2.0Sは17インチホイールに20mmローダウンのサスを組み合わせスポーティな走りを演出しようとしているが、不整地での突き上げ感が少々きつかった。操安性はタイヤに負うところが大きく、今度はサスが負けているかなぁ、と思った。レポーターのベストな組み合わせは1.5XGの足と2.0Sの動力性能だが、そうなると各モデルのキャラクター付けがあいまいになってしまうのだろうか……。
最初にSUVというジャンルでヒットを飛ばしたのはレクサスRX300(トヨタ・ハリアー)だった。従来のラダーフレームの上にキャビンを載せたブロンコやブレイザーと違って、乗用車のシャシーを使った優しい乗り心地と、それこそ操安性に優れたキャラクターがアメリカの西海岸でうけた。
さて、このSX4、レクサスRX300のコンパクト版たりうるか!? 北米市場にはこの秋から投入されるという。
Report:野澤一幸
まずは動力性能だが、1.5リッターのエンジンならば、これで十分(110ps/6000rpm、14.6kg-m/4000rpm)と思えるのは1人で乗った場合に限られる。やはり1190kgの車重に200kgのロードがかかると低速でのトルクがもっとあったほうがいいな、と思った。このクルマをレッドゾーンいっぱいまで回して乗るオーナーは希だろうから、高回転での伸びを大切にするよりも中低速の充実を図ったほうが、実際にオーナーとなる人、あるいは購入を真剣に検討する人の印象はいいだろう。かりに、そういう性格を望む人がいたら、2リッターバージョンを薦めればいい。
気に入ったのはシャシーのシッカリ感だった。1.5XGは205サイズのタイヤを16インチのホイールで履くが、この組み合わせだとシャシーが完全にタイヤに勝っていた。サスペンションの取り付け剛性もしっかりとチェックされていて、あたりのソフトなタイヤと相まって乗り心地も良かった。
スズキは、このモデルをベースに、2007年からの世界ラリー選手権(WRC)に参戦すると表明しているが、そうしたコンペティションの場でもこのシャシーはそのポテンシャルを発揮するだろう。ただ、気になったのは前進した太いAピラーが生み出す死角である。特に右へのコーナリングでは、かなり気になるほど鬱陶しいものだった。
次に試乗したのは2リッターの4WDの2.0Sというモデル。この2リッターエンジンはエスクードのそれをベースにしたもので、最高出力145ps/5800rpm、最大トルク19.7kg-m/4000rpmを発生する。エスクードでは縦置きのところをSX-4では横置きに転用していることから、ミッション、補器類などは新規に設計されているが、ブロックやヘッド、その他のムービングパーツはほぼそのまま流用しているそうだ。車重は1310kgで1.5リッターに比べて120kg増えているが、その重量増加ぶんを補ってあまりあるほど、動力性能の向上を感じることができた。
試乗は1.5XGと同じく3人、200kgのロードで行ったが、やはり500ccの排気量差は大きく低速から高回転まで、これならば不満なしと思えた。
乗り心地と操安性はどうか?この2.0Sは17インチホイールに20mmローダウンのサスを組み合わせスポーティな走りを演出しようとしているが、不整地での突き上げ感が少々きつかった。操安性はタイヤに負うところが大きく、今度はサスが負けているかなぁ、と思った。レポーターのベストな組み合わせは1.5XGの足と2.0Sの動力性能だが、そうなると各モデルのキャラクター付けがあいまいになってしまうのだろうか……。
最初にSUVというジャンルでヒットを飛ばしたのはレクサスRX300(トヨタ・ハリアー)だった。従来のラダーフレームの上にキャビンを載せたブロンコやブレイザーと違って、乗用車のシャシーを使った優しい乗り心地と、それこそ操安性に優れたキャラクターがアメリカの西海岸でうけた。
さて、このSX4、レクサスRX300のコンパクト版たりうるか!? 北米市場にはこの秋から投入されるという。
Report:野澤一幸
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