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試乗インプレッション

スマート・フォーツー
Smart

外見はちょっぴり。でも、中身は大きく進化
スマート・フォーツー

1998年にデビューしたスマートが、フルモデルチェンジを受けて2代目に進化。新型の試乗会がスペインのマドリッドを舞台に開催された。一見しただけでは旧型と見分けがつかない新型の走りは果たして?
[2007/02/14]

スタイリングはまさに「キープコンセプト」

1998年の誕生以来、転倒問題や販売不振などでダイムラー・クライスラー社の問題児であったスマート。本来ならば勘当(知ってますこの言葉?)でもしたいところだろうが、親の事情(フリートCO2問題)もあって、そう簡単に追い出すわけにもいかない。そこで一昨年来の大リストラ作戦で、スポーツカー(ロードスター)や4人乗り(フォーフォー)あるいは計画中SUVの中止、さらに人員整理などを敢行し、ようやく第二世代誕生への舞台が用意された。

そして誕生したのがこのニュー・フォーツーである。全長×全幅×全高は2695mmx1559mmx1542mmそしてホイールベースは1867mmと、旧モデル(2500mmx1515mmx1549mm、1812mm)と較べると195mm長くなり、44mm広がり、7mm低くなった。またホイールベースは55mm延長されている。

エンジンはミツビシと共同開発した3気筒ガソリン仕様で、ボア×ストローク72mmx81.8mmで総排気量は999cc。最高出力はナチュラル・アスピレーションが61馬力と71馬力、そしてターボが84馬力である。

また、これまで通り好燃費を稼ぐダイムラー製のコモンレール式ターボ・ディーゼルも改良、用意されており、こちらは3気筒で799cc、最高出力45馬力、最大トルク110Nmを発生する。

組み合わされるトランスミッションは、新たにゲトラクが開発した5速セミ・オートマチック(ツー・ペダル)である。

これだけの改良を行なっているのだが、スタイルはほとんど変わっていない。確かにヘッドライトやテールライトなどは変わっているのだが、旧型と区別するには難しく、かなりの台数が走る、ここマドリッドでも旧モデルのオーナーがようやく振り返る程度であった。でもこのカタチは、変えるのが難しいし、また同時に変えないのが正しいのかもしれない。

トランスミッション、走行安定性、ブレーキといった走りの機能が進化

さて、走り出して直ぐに判るのは、旧型では出来の良くないトランスミッションによって、シフトチェンジ時にクルマが頻繁にお辞儀をしていたのが、新しいギアボックスの採用によりそれが軽減されたことだ。もちろん他にはもっとマシな2ペダルもあるが、このニュー・スマートは十分に受け入れられる。

同じ様な嬉しい変化は、十分まともに走れるようになった走行安定性。特に驚いたのはハイスピード操縦安定性である。この日、最初のセッションでカメラ・カー(メルセデス・ベンツC350ワゴン)の後についてスペインの高速道路を走ったのだが、彼らの飛ばすことといったら……。

84馬力のターボ・エンジンは悲鳴を上げながら、ほとんど145km/hのリミッターに当たりっぱなし。しかも彼らは縫うようにレーン・チェンジをするので、こちらは嫌でもエルク・テストを繰り返しているようなものだったが、55mm伸びたホイールベースと31mm広がったトレッド、そして締め上がったシャーシによって、これまでのような大袈裟なロールも起きず、安心して隣のレーンへクルマを滑り込ませることができた。

いやそれどころかドライバーが望めば、スタビラーザーとリア・サスペンションの改良、さらに10%ダイレクトになったステアリングによって、1.5メートルの台形2ーターを積極的に振り回すことさえ可能である。もっともシートはそんな状況を考えていない形状なので、左足を思いっきり踏ん張って体を支えなければならないが……。

さらにもうひとつの発見はブレーキ性能の向上で、ペダル剛性感、そして制動力共に高速道路でも市街地でも安定した制動力を発揮してくれた。

シティコミューターとしての素性の良さは健在

このスマートが本来活躍すべき市街地での利点は、もちろんまだまだ残っている。駐車の容易性、回転半径4.4メートルという小回りの良さはどんな高価なクルマ、あるいは軽自動車にも負けない。

またトランク容量も220リッターから340リッターと80リッターも増えて、ふたり分の週末旅行荷物を宅配便に託さずに出発できるようにもなった。

ところでこうしたスマートの総合性能の向上は、エンジン排気量のアップやトレッドの拡大など、日本の軽自動車枠から離れた結果であると考えても良いかも知れない。もともと日本市場では、普通車登録車よりも黄色いナンバーのスマートの売れ行きが少なかったのだから当然の成り行きであろう。

イロイロな意味で大人になったスマート、今年の秋までには日本の市場に登場するはずだが、価格もそれなりにオトナ料金が要求される。4月から発売が開始されるドイツでの価格は、最も安い61馬力バージョンが9490ユーロ、トップ・モデル(84馬力)は1万2140ユーロとなる。円高の現在では、日本円にするとそれぞれ147万円と188万円になる。

日本での販売価格も正式な販売時期も、まだ発表されてはいない。

Report:木村好宏

☆訂正とお詫び
本記事を掲載いたしました2/14から3/3の間、ボディサイズに関する表記に一部誤りがございました。
本文11行目 誤「7mm高く」--正「7mm低く」
訂正するとともに、お詫びいたします。(編集部)
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