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試乗インプレッション

サーブ 9-3
SAAB

目覚しい進化を果たしたジツは侮れないクルマ
サーブ 9-3

インパクトのあるルックスとは対照的に、平凡な走りに「こんなものか…」と、さして印象に残らなかったひと昔前がまるでウソのよう。進化を遂げた新型サーブ9-3の実力とはいかに。
[2008/04/23]

航空機メーカーを生い立ちとするサーブらしさが走りに光る

日本に導入される、ふたつのスウェーデンの自動車ブランドのうちのひとつ、サーブ。9-3はその屋台骨を支える量販モデルで、メルセデス・ベンツのCクラス、BMW・3シリーズといった強豪がひしめくDセグメントに属する。今回紹介するモデルは昨秋の東京モーターショーで発表&発売された最新型(一部グレードは08年1月発売)。外装パーツの7割以上を刷新するなどのビッグマイナーチェンジを実施。セダン/ステーションワゴン/カブリオレ、3タイプのボディバリエーションを設定するラインアップは従来同様だ。

正直、サーブ、そして9-3というブランドは日本では馴染みが薄いかもしれない。が、実際に見て、乗って、走ってみれば、サーブ9-3というクルマが、ジツは侮れない実力を秘めていることを誰もが認めるに違いない。

今回、チョイスしたのは、スポーツセダンのトップグレード、”エアロ”だったが、まず、カッコが抜群にいい。「他の何にも似ていない」スタイリングは、ハイセンスなエアロパーツをまとうことで、より個性を際立たせ、タイヤハウスいっぱいに収まった幅広の大径(18インチ)タイヤが、巧みにアンダーボディの安定感を演出する。ダイナミックだが、しかしアグレッシブすぎない品のよさは、北欧デザインの妙といったところか?インテリアしかり。スペース効率に優れるFFレイアウトは理屈どおり、キャビンの全方位にゆとりをもたらし、外観ほどの個性はないものの、細部にわたって丁寧に作り込まれたインテリアは質感の高さを感じさせる。

ドイツ車的な走りは快適そのもの

驚くのが瞬時に予測できるボディの精度と剛性の高さ。ズシリとしたドアの重厚な開閉感は、さながらドイツ車のそれ。また、今回は横浜市内という限られた試乗コースで、絶対スピードこそ低かったが、大きな路面の凹凸を乗り越えた際もミシリともきしまない強靭なボディは、Cクラスや3シリーズあたりと比較しても遜色のない水準を確認。さらにいえば、路面追従性に優れるリヤマルチリンクサスペンションなどがもたらす、ダンピングの効いた乗り味もドイツ車的で、きわめて快適だ。

エンジンは2.8LV6ターボ。無論、255馬力のパワーに不足があろうはずもないが、アクセルひと踏み、どこからでも瞬時に力強いトルクを立ち上げるセッティングは絶品。さすがに航空機メーカーを生い立ちとするサーブ、ターボの調律もまた洗練を極めている。

それにしても、フットワークといい、エンジンといい、9-3のポテンシャルを存分に発揮させられなかった今回の試乗が、なんとも口惜しい……。

Report:戸塚正人
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