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ランサーエボリューションX、デビュー
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誰もが高性能を引き出せるサイボーグ4WDターボ
ランサーエボリューションX、デビュー

三菱自動車は、同社のスポーツセダンのアイコン的存在の高性能スポーツセダン、ランサーエボリューションを進化させ、10月1日、10代目となる新型“エボリューション X”を発売した。
[2007/10/01]

高度な技術をイージードライブ化のために

92年の初代誕生以来、パワフルなターボエンジンに高機能4WDシステムを組み合わせた強力なパワーユニットにより、「高性能4WDターボ」の代名詞的存在としてスポーツカー好きから絶大な支持を集めてきたランエボこと、ランサーエボリューション。その10代目となるエボリューションX、通称“エボテン”が発売になった。

これまでWRCを始めとするモータースポーツ活動と共に進化してきたランエボだが、この高性能セダンは15年の間に単にパワーのみを追求してきたわけではなく、時代ごとにテーマが定められ、そのテーマに沿って進化してきた。92年の初代〜3代目まではラリーでの勝利を狙い、パワーアップを中心に進化した時代。4〜6代目はAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)導入に代表される回頭性の向上とエンジンのレスポンスアップが図られていた時代。そして7〜9代目はドライバーとの一体感を求め感性領域にも磨きを掛けてきた時代という具合に、3世代ごとにコンセプトチェンジを繰り返してきた。

そして4世代目の幕開けとなるエボテンでは新たな価値として、“走りの質感や快適性を高める”という、まるでごく一般的な乗用セダンのような開発テーマが掲げられている。その狙いは、誰もが安心して高性能を引き出せるようにすること。これまでの限られた人のための尖ったクルマというイメージから抜け出し、新型ではドライバーを限定しないハイパフォーマンスセダンが目指されている。といって、高性能化の進化が止まってしまったわけではない。むしろこれまで以上に高度な技術を搭載し、それをイージードライブ化のために役立てているのだ。

自動変速MTの採用でパワーの途切れない加速感を実現

技術面におけるエボテンの最大の特徴と言えるのが、自動変速マニュアルトランスミッション「ツインクラッチ SST」だ。これは1、3、5の奇数ギアと2、4、6の偶数ギアをそれぞれ異なるクラッチが受け持ち、クラッチ(出力軸)の切り替えにより交互にギアを繋いでいくことで、パワーが途切れない素早い変速を可能としたシステム。プロがマニュアルトランスミッションを操るよりも素早いシフトチェンジと、マニュアル車と同等の低燃費を両立したとしている。

三菱自動車の開発テストドライバーの布野洋氏によれば、シフト操作が不要になり、ステアリング操作に専念できるツインクラッチ SSTのメリットとして、「気持ちにゆとりを持って運転操作に挑めること」を挙げている。高度な運転技術がなくても一歩踏み込んだ走りが可能となるというのだ。

シフトレバーの配列はオートマチック車のそれに似ており、普通のAT車の感覚で運転できる(AT限定免許でも運転可能)。それでも素早い変速が行われるがマニュアルモードに切り替えることも可能で、パドルシフトも標準で備わっている。またモードも3つの切り替えが可能で、一般路向けの「ノーマル」、ワインディング向けの「スポーツ」、高回転を維持する「スーパースポーツ」が選べる。ちなみにこの新しいトランスミッションは、三菱自動車とゲトラグ フォード社の共同開発によって生まれている。

一方、従来通り5速MT仕様も設定される。こちらも高トルク化に対応させるべく内部の強化が図られた新開発品となっており、軽量&コンパクト化やモータースポーツ シーンでのアドバンテージを考慮し、ギアの数を増やすことなくあえて5速MTを採用したという。

4WDシステムには、従来のACD、AYC、スポーツABSに加え、ASC(アクティブ・スタビリティ・コントロール)を新たに追加。舗装路からスノーまで、あらゆる路面で最適化された駆動力を引き出し、操る楽しみを高めたものとしている。

エンジンは280psをキープし、トルク特性を改善

エンジンは、軽量アルミブロックを採用する新設計の2リッター MIVEC ターボを搭載。4B11と呼ばれるこのエンジンは、最高出力280ps/6500rpm、最大トルク43kg-m/3500rpmを発生する。最高出力を高めず従来通りの数値とした理由は、より扱いやすさを重視し、低中速のトルク増強を狙ったためという。排気量を2リッターとしたのも同じような理由からで、高性能と環境性能を両立させることで、10.15モード燃費は9.9km/L〜10.2km/L(仕様により異なる)を実現している。

スタイリングは、三菱セダンシリーズの新しいDNAである逆スラントノーズと台形グリルを組み合わせた新しいフロントマスクを特徴とし、エアロダイナミクスを最適化することで空力性能をアップさせている。また大型エアインテークの採用によりエンジンなどの冷却効率も同時に高められている。なお、ボディ剛性については曲げ剛性で約60%、ねじり剛性は約40%向上しているという。

グレード構成は、ストリートからサーキットまで幅広く使える「GSR」に5速MT仕様とツインクラッチSST仕様を設定。競技車ベースの「RS」は5速MT仕様のみの設定となる。また、GSRにはパッケージオプションとして、足回りの性能を高めた「ハイパフォーマンスパッケージ」、外観をドレスアップする「スタイリッシュエクステリア」、内装を豪華に仕立て上げる「レザーコンビネーションインテリア」、上記すべての内容にさらに18インチBBS製ホイールを加えた「プレミアムパッケージ」が設定される。

価格は、GSRが349万5450円(5速MT)/375万600円、RSは299万7750円。


Report:曽宮岳大
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