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BMWテクノロジーフォーラムリポート Part2
先ごろ日本国内でのラインアップが出揃ったMINIファミリーには、PSAプジョー・シトロエングループとの共同開発による4気筒ユニットが搭載されている。Part2では、低出力仕様から高出力仕様の、これら4種類のエンジンに盛り込まれたテクノロジーについて紐解いていく。
[2007/05/29]
BMWテクノロジーフォーラムリポート Part2
BMW/PSAの4気筒エンジンファミリーの秘密に迫る
先ごろ日本国内でのラインアップが出揃ったMINIファミリーには、PSAプジョー・シトロエングループとの共同開発による4気筒ユニットが搭載されている。Part2では、低出力仕様から高出力仕様の、これら4種類のエンジンに盛り込まれたテクノロジーについて紐解いていく。[2007/05/29]
約100万台のモデルに搭載予定の小型4気筒エンジン
今月始めにMINI ONEが発売され、COOPER、COOPER Sと3種類のラインアップが出揃ったMINIファミリーと、同じく今年3月に導入されたプジョー207シリーズには、BMWとPSAプジョー・シトロエングループによって、共同開発されたエンジンが搭載されている。これらは1.4リッターの94psバーションから、1.6リッターNAの114psとロープレッシャーターボの148ps、そして172psを発生するハイパフォーマンス版と、全部で4種類がラインアップされ、両グループ合わせて約100万台のモデルに搭載する予定だという。
この開発のプロジェクトは2003年からスタートし、ドイツ・ミュンヘンとフランス・パリに共同チームを発足。エンジンのコンセプト及び設計をBMWが行い、パーツの調達や、製造技術に関してはPSAが担当している。両グループがエンジン共同開発することになったのは、来年欧州で施行される140g/km というCO2の排出量規定により、新たなエンジンの開発に迫られており、これに掛かるコストを大量生産することで削減できる、というのが大きな理由のようだ。
その後このエンジンファミリーは、2004年の12月に詳細を発表、2005年のジュネーブショーでプジョー207のデビューとともに初めて公開された。ちなみにエンジンの生産拠点は、MINI用がイギリス南部のハムズホール、PSAグループがフランス北部のドゥブランで、年間100万基が生産され、各々の車両アッセンブリー工場へと搬送されている。
この開発のプロジェクトは2003年からスタートし、ドイツ・ミュンヘンとフランス・パリに共同チームを発足。エンジンのコンセプト及び設計をBMWが行い、パーツの調達や、製造技術に関してはPSAが担当している。両グループがエンジン共同開発することになったのは、来年欧州で施行される140g/km というCO2の排出量規定により、新たなエンジンの開発に迫られており、これに掛かるコストを大量生産することで削減できる、というのが大きな理由のようだ。
その後このエンジンファミリーは、2004年の12月に詳細を発表、2005年のジュネーブショーでプジョー207のデビューとともに初めて公開された。ちなみにエンジンの生産拠点は、MINI用がイギリス南部のハムズホール、PSAグループがフランス北部のドゥブランで、年間100万基が生産され、各々の車両アッセンブリー工場へと搬送されている。
低エミッションと、クラストップの軽量コンパクトユニット
これらの小型4気筒ユニットの開発のテーマとして掲げられたのは、徹底したコスト削減のための量産技術、そして低エミッションとパワーの両立を図ることであったという。まずはコストを減らすために、4種類のエンジンにおいて、最大限のパーツを共有化、そして加工と組み立てのしやすさを検討、さらには低燃費性とともに、リサイクル率を上げ環境にやさしいことや、NAユニットではBMWの持つ最新のバルブトロニックシステム、直噴ターボユニットにはツインスクロール式を採用し高いパフォーマンスを獲得する、というのが具体的な項目となっている。
このうち、パーツの共用化においてまず取り組んだのが、シリンダーブロックとベッドプレートだ。ここでは全てに共通のアルミ素材が使用されるとともに、ディーゼルエンジンと同じ方式の機械加工が施された。ブロック本体でも、高剛性によるNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)特性の向上や、鋳鉄ライナーを挿入したことによるロバスト性(強靱さ)の確保、変形に対する挙動の最適化が図られている。
またシリンダーヘッド部分では、同じアルミ素材を用いながらも、NA仕様とターボ仕様それぞれに異なる構造と成型法が採用された。このうちNA仕様ではバルブトロニックが備わることによるアクチュエーターやセンサー、バキュームポンプ一体型のベアリングが用いられ、砂型を用いる鋳造法よりも、精度の高いロストフォーミング鋳造が取り入れられた。
一方でターボ仕様には、バキュームポンプと高圧燃料ポンプが一体型とされたベアリングを使用、金型にアルミを圧入する極めて高精度なダイキャスト法により成型された。ただしヘッド部分の締め付けボルトに対して直接アクセスでき、組み立てが容易になったことや、一体型とされたチェーンハウジング、表面の加工方法については共通。それぞれのユニットの特徴を活かして重量と剛性の最適化を図ったという。
このうち、パーツの共用化においてまず取り組んだのが、シリンダーブロックとベッドプレートだ。ここでは全てに共通のアルミ素材が使用されるとともに、ディーゼルエンジンと同じ方式の機械加工が施された。ブロック本体でも、高剛性によるNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)特性の向上や、鋳鉄ライナーを挿入したことによるロバスト性(強靱さ)の確保、変形に対する挙動の最適化が図られている。
またシリンダーヘッド部分では、同じアルミ素材を用いながらも、NA仕様とターボ仕様それぞれに異なる構造と成型法が採用された。このうちNA仕様ではバルブトロニックが備わることによるアクチュエーターやセンサー、バキュームポンプ一体型のベアリングが用いられ、砂型を用いる鋳造法よりも、精度の高いロストフォーミング鋳造が取り入れられた。
一方でターボ仕様には、バキュームポンプと高圧燃料ポンプが一体型とされたベアリングを使用、金型にアルミを圧入する極めて高精度なダイキャスト法により成型された。ただしヘッド部分の締め付けボルトに対して直接アクセスでき、組み立てが容易になったことや、一体型とされたチェーンハウジング、表面の加工方法については共通。それぞれのユニットの特徴を活かして重量と剛性の最適化を図ったという。
高圧縮比を実現した直噴&ツインスクロールターボとバルブトロニックを搭載
ターボ仕様のエンジンユニットで特筆すべきシステムといえるのが、タービン内部のスクロール室を二つのスペースに分けたツインスクロールターボシステムだ。これは低速域では一方のスペースのみに排気ガスを通し、中・高速域では両方のスペースに排気ガスを通すことによって排圧を調整するもので、1400rpmという低い回転数からブースト圧を掛けることにより、低速域でのトルクとレスポンスの向上を実現しているという。
これに組み合わされる直噴システムは、シリンダーサイドに配置されたインジェクターから120barという高圧の燃料を噴射するもので、ターボ過給エンジンとしては高レベルの10.5という、NA仕様と5%しか違わない高圧縮比を実現、パフォーマンスと低燃費性能の両立が図られている。
一方NA仕様では、BMW独自のバルブ制御技術となるバルブトロニックを搭載。これは吸気バルブのリフト量を電動モーターの駆動により無段階にコントロールすることができるシステムで、スロットルバルブを使わずに出力の調整ができるのが最大の特徴だ。
このシステムにより吸気バルブのリフト量を瞬時に可変制御でき、優れたレスポンスを実現、全開にした際の吸気抵抗も減らすことが可能となった。ちなみにBMWではこれまで2.0リッター以下のエンジンにはバルブトロニックを採用しておらず、1.4リッターという小排気量のエンジンに搭載するのは初の試みとなる。
これに組み合わされる直噴システムは、シリンダーサイドに配置されたインジェクターから120barという高圧の燃料を噴射するもので、ターボ過給エンジンとしては高レベルの10.5という、NA仕様と5%しか違わない高圧縮比を実現、パフォーマンスと低燃費性能の両立が図られている。
一方NA仕様では、BMW独自のバルブ制御技術となるバルブトロニックを搭載。これは吸気バルブのリフト量を電動モーターの駆動により無段階にコントロールすることができるシステムで、スロットルバルブを使わずに出力の調整ができるのが最大の特徴だ。
このシステムにより吸気バルブのリフト量を瞬時に可変制御でき、優れたレスポンスを実現、全開にした際の吸気抵抗も減らすことが可能となった。ちなみにBMWではこれまで2.0リッター以下のエンジンにはバルブトロニックを採用しておらず、1.4リッターという小排気量のエンジンに搭載するのは初の試みとなる。
プラスチックパーツを多用し徹底した軽量化を実現
このエンジンのティテールにおいて注目すべきは、共用化された多くのパーツにプラスチック素材が用いられていることだ。それは、スロットルボディを始め、サーモスタットハウジングやウォーターポンプのハウジング、ターボ仕様に装着されるコモンレールなど、従来のエンジンでは用いられなかったような箇所にも採用された。
これまでプラスチック素材といえば、インテークマニホールドなど比較的高温になりにくく、動きを伴わない部分に用いられた例はあるが、ブロックのすぐ脇のように熱にさらされることが多く、しかも可動部分に使用されるのは極めてまれなこと。これはプラスチック素材のメリットである成型性の良さや、エンジン全体の軽量化に貢献するところであるが、気がかりなのが熱に対する変形や、耐久性といった部分。しかしBMWによると、これらのプラスチックパーツは、同社の規定に合致した性能と耐久性をしっかりと持ち合わせているという。
このうちウォーターポンプのハウジングにプラスチック素材を用いることができたのは、摩擦によって駆動力を伝達するフリクションホイールを使用しているからである。NA仕様ではウォーターポンプが横に移動することによって、クランクからの駆動力のオンとオフを切り替えることができ、常時ウォーターポンプを駆動する必要がなくなり、エンジンの出力損失を最低限にとどめることが可能となった。
さらにサーペンタインベルトのような、長く複雑にレイアウトされたベルトを使うことなく、エアコンのコンプレッサーとオイルポンプのみ駆動する、シンプルな機構も実現。エンジンサイドは非常にスマートなデザインとなるとともに、本体重量も1.6リッターNA仕様で114kg、ターボ仕様で130kgと非常に軽量に仕上がっている。
このように、ハイパワー仕様ではツインスクロールターボによる低回転からのレスポンス、そしてNA仕様ではバルブトロニックによる実用トルクと低燃費性能の両立といった優れたスペックを持つだけでなく、エンジン本体の軽量コンパクト化にかなり力を入れたことが見て取れるBMW/PSAファミリーの4気筒ユニット。これらの成果として、MINIのショートホイールベースによるキビキビとした走りや、プジョーのしなやかなハンドリングといった特徴をさらに引き出すことに大きく貢献しているはずだ。
Report:相澤隆之
これまでプラスチック素材といえば、インテークマニホールドなど比較的高温になりにくく、動きを伴わない部分に用いられた例はあるが、ブロックのすぐ脇のように熱にさらされることが多く、しかも可動部分に使用されるのは極めてまれなこと。これはプラスチック素材のメリットである成型性の良さや、エンジン全体の軽量化に貢献するところであるが、気がかりなのが熱に対する変形や、耐久性といった部分。しかしBMWによると、これらのプラスチックパーツは、同社の規定に合致した性能と耐久性をしっかりと持ち合わせているという。
このうちウォーターポンプのハウジングにプラスチック素材を用いることができたのは、摩擦によって駆動力を伝達するフリクションホイールを使用しているからである。NA仕様ではウォーターポンプが横に移動することによって、クランクからの駆動力のオンとオフを切り替えることができ、常時ウォーターポンプを駆動する必要がなくなり、エンジンの出力損失を最低限にとどめることが可能となった。
さらにサーペンタインベルトのような、長く複雑にレイアウトされたベルトを使うことなく、エアコンのコンプレッサーとオイルポンプのみ駆動する、シンプルな機構も実現。エンジンサイドは非常にスマートなデザインとなるとともに、本体重量も1.6リッターNA仕様で114kg、ターボ仕様で130kgと非常に軽量に仕上がっている。
このように、ハイパワー仕様ではツインスクロールターボによる低回転からのレスポンス、そしてNA仕様ではバルブトロニックによる実用トルクと低燃費性能の両立といった優れたスペックを持つだけでなく、エンジン本体の軽量コンパクト化にかなり力を入れたことが見て取れるBMW/PSAファミリーの4気筒ユニット。これらの成果として、MINIのショートホイールベースによるキビキビとした走りや、プジョーのしなやかなハンドリングといった特徴をさらに引き出すことに大きく貢献しているはずだ。
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