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試乗インプレッション

ジープ パトリオット
JEEP

JEEP最新のコンパクトSUVモデルに試乗
ジープ パトリオット

ジープの最新モデル、パトリオットに試乗した。300万円を切る価格から設定される同モデルに、“ジープ”ならではの走破性やタフネスは期待できるか?
[2007/11/05]

全6車種に拡大したジープファミリー

ここ最近、ジープブランドのラインナップ拡充が著しい。日本に導入されるモデルだけでも、長らく続いた従来のラングラー/チェロキー/グランドチェロキーの三本立てに、ラングラー アンリミテッドとコマンダーの2モデルが今春相次いで加わった。さらにアメリカ本国には、ダッジ キャリバーとシャシーを共用するコンパスなるクロスオーバーSUVもあるのだが、こちらは導入予定なし。ただし、コンパスより若干オフローダー色が強く、同様にジープのエントリーモデルとして機能するパトリオットの国内販売が8月からスタートしている。

日本では「6番目のジープ」となるパトリオットは、やはりキャリバーベースであり、コンパスとはエンジン&トランスミッションも共用する兄弟車。両者のキャラクターの差別化はというと、コンパスがスバル フォレスターのような都市型であるのに対して、パトリオットは日産エクストレイルのようなヘビーデューティ型となる。

XJ型チェロキーの代替車になり得るスタイリングと価格

ただし、あくまでそれはイメージとしてであって、上級モデルのラングラーやチェロキー並みの高い悪路走破性をパトリオットに期待するのは正しくない。駆動伝達系には副変速機(つまりローレンジ)を持たず、足回りは前後コイルリジッドでなく4輪独立懸架。そうしたスペック上から、パトリオットのオフロード性能はそれなりと判断しなくてはならないだろう。

イメージとしてのヘビーデューティとは、ジープの伝統的スタイリング要素の盛り込みだ。たとえば7本の縦型スロットグリルに丸型2灯ヘッドランプ、大きく頑丈そうなバンパーに台形状のフェンダーアーチなど。それらが直線的なプレスラインを描くボディパネル状で構成された姿をひと目見て思い浮かぶのは、84〜01年に渡って根本的なモデルチェンジが施されることなく人気を保ち続けたXJ型チェロキーだ。

円高真っ盛りの90年代半ばには300万円を切る低価格で販売されたこともり、日本でもXJチェロキーはアメリカ車としては類のない爆発的なヒットを記録。とくにそのボクシーなスタイリングにはいまだ根強いファンが多いから、カタチとしての後継はケロヨン顔をした現行のKJ型チェロキーではなく、むしろパトリオットだと捉える向きも少なくないと思う。ボディサイズ的にもXJチェロキーをひと回り大きくなっているから、代替車として選ぶには適当だ。

ジープとして抑えるべきツボは外していない

実際にはその4WD機構上、KJ型チェロキーよりも走破性は劣るわけだが、ローレンジへのシフトが必要になるほどの悪路には乗り入れないユーザー(おそらく圧倒的多数)は、パトリオットのシャシーパフォーマンスに不満は抱かないはず。
 
フリーダムドライブIと呼ばれるフルタイム4WD機構は、ジープの上位モデルが採用するクォドラドライブの簡易型となるもの。通常ではFF、走行状況に応じた後輪への駆動力配分はリアデフに組み込まれた電子制御の2段階クラッチシステムでコントロールされる。美点なのは、いわゆるセンターデフロックと同様の機能を持ち、前後の駆動力配分を50:50に固定できること。さらに左右配分はトラクションコントロールで調整されるから、オフロードでのトラクション性能はけっして低くない。

センターデフロックの有無は単なるSUVとオフロードSUVの境界線となり得るし、パトリオットの最低地上高はコンパクトSUVとしては余裕のある205mmだ。さすがはエントリーモデルと言えどもそこはジープで、抑えるべきツボは外していない。
 

最注目は300万円を切る「スポーツ」グレード

パワートレインは2.4リッター直4 DOHCと6速マニュアルモード付きJATCO製CVTの組み合わせだ。ワールドエンジンと命名されて世界市場向けに開発されたこのエンジンは最高出力170ps、アメリカ製としては現在もっとも洗練された直列4気筒に挙げられる。可変バルブタイミング機構の効果で、車重1520kgのパトリオットに十分な低中速トルクを確保しているし、中速から高速にかけての回転の伸びもスムーズでストレスが少ない。

一方で、CVTには車両価格なりの満足感は得られない。フロアを通して伝わってくる唸り音が気になるし、急発進および急加速時のスリップ感にもどかしさがあり、頼もし気なスタイリングから想像する乗り味にはマッチしていない。燃費性能を考慮しての選択だろうが、走りの上では違和感がハッキリある。

日本では初めて接することになる4輪独立懸架のジープとなるが、快適性の高さと操舵レスポンスの良さではコイルリジッド勢と比べて同等以上。ロールの進み方がやや早いため、コーナーの進入で一瞬腰の弱さを感じはするが、ある程度ロールしてからスタビリティが発揮されるので、重心が高くて軽くはない車体ながらも持て余すことはない。
 
パトリオットは、快適装備に違いがあるスポーツとリミテッドの2グレード構成。なかでも294万円のスポーツには、多くのアメリカンSUVファンがコストパフォーマンスの高さを見出すだろう。なお、パトリオットが投入されたことで、ジープは日本でもっともラインアップが豊かなアメリカンブランドとなった。
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