これまではハイブリッドカーというだけで十分に魅力的な存在だったが、これからは「いかに楽しいクルマか」が問われるようになるだろう。トヨタとホンダは、その辺を心得ているようで、二代目プリウスとシビックハイブリッドに、それぞれ“プラスα”の魅力を与えていた。
カタチは保守的でも中身はホンダ
「シビック」と聞けば、「タイプR」に代表されるホットハッチを思い浮かべてしまう私は、当年以って35歳。冒頭から年をディスクロジャーするのもなんだけど、まだ“走り屋”という言葉もない当時、ちょうど中古車として価格がこなれてきていたワンダー・シビックに乗って山道を攻めるのが、クルマ好きの若者の間ではちょっとしたトレンドだった。1972年のデビュー以来、FWDの2ボックスというカテゴリーの中ではベンチマーク的存在だったから、それが今のようにセダンだけになると聞いたときは正直驚いたし、フランクフルトショーで見た欧州仕様の5ドア・ハッチバックの方がカッコいいのに、とも思っていた。
そんな先入観があったから、新型シビックが保守的なセダン・ボディに高効率化を追求した新しいハイブリッド・システム「IMA」を積むと聞いても、正直なところ、胸をトキメかせる響きはなかった。ところが、実際にステアリングホイールを握ってみると、リニアなステアリング・フィールとスポーティな走りっぷりに目を見張る思いだった。
走りを諦めてしまったように感じられた先代シビック・ハイブリッドと違って、新型はドライバーズシートに収まってアクセルを踏み込めば、あっという間に法定外の速度域に達してしまう。そんな速度域でも、ステアリングのフィーリングはしっかりとしていて、安心感が高いことに驚いた。
最高出力95ps/6000rpmと最大トルク12.5mkg-m/4600rpmを生じるに過ぎない1.3リッターユニットでは、いくらモーター(20ps/ 10.5kg-m)の補助を得ているとはいえ、高速道路の巡航では力不足を露呈するのではないかと心配していた。しかし高速で流れに乗って走っているようなシーンから追い越し加速が必要なときでも、アクセルペダルを踏み込めば瞬時に加速を得られる頼もしいハイブリッド・システムだ。そんなわけで、高速道路を降りて、山道でコーナリングを頑張ってみる頃には、すっかり“保守的なセダン”であることを忘れてしまっていた。
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