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試乗インプレッション

フォードESCAPE XLT/リミテッド
Ford

飛び抜けた性能や個性こそないがあらゆる面で水準以上を確保
フォードESCAPE XLT/リミテッド

リーズナブルな価格と取り回しのよいボディ、さらに必要にして十分なパフォーマンスに定評のあるエスケープ。新型は、内外装のクォリティが確実に高められ、より幅広いユーザー層に訴求することが可能となった
[2008/03/11]

奇をてらうことのないデザインは継続

フォード・エスケープは、現在日本で市販されているアメリカンSUVのなかでは、サイズ的にも価格的にも、もっとも身近なモデルだろう。もともとマツダとのコラボレートにより誕生したクルマで、トリビュートとは兄弟関係にあった。もちろん、先代モデルからはフォードの自社工場で生産されているので、現行モデルも純粋なフォードブランドである。フォードのモデルラインアップのなかでは、事実上のフラッグシップモデルである高級SUVエクスプローラーの弟分として、手頃な価格と幅広い用途に対応するパッケージングに定評がある。

今年2月にフェイスリフトされた際に、もっとも注力したのは内外装の質感を高めるという点。初代モデルから、際立つ個性を特徴とするエクステリアデザインではなかったが、ごくスタンダードなスタイルには幅広いユーザー層からの支持が集まっている。新型もその路線は変わらず、泥臭さを感じさせない都会的なイメージを高めると同時に、高品質な内外装を実現している。とくにフロントマスクは、3本のクロームバーをもつ大型グリルが特徴。力強さとともに、フォードラインアップであることを強調するアイデンティティだ。それに連動して、大型化されたヘッドランプやフロントバンパー、前後フェンダーなどが、ボリューム感と存在感を高めていることが特徴だ。

軽量ボディを活かした俊敏なフットワーク

グレード構成は新型から変更され、直列4気筒2.3Lエンジンを搭載するXLTと、V型6気筒3リッター仕様のリミテッドの2タイプとなった。今回試乗したのはXLT。従来モデルでも何度かエスケープの試乗をする機会があったが、個人的には直4エンジン搭載車の軽いフロントノーズによる軽快なハンドリングと、4速ATとのマッチングのよさ、さらに実用燃費の高さなどにより好感を抱いていた。

その魅力は新型でも健在で、ハンドリングやシャーシ剛性の高さとともに、軽量ボディを生かした俊敏なフットワークを満喫できた。同時に走行中の静粛性も高まっているようで、それだけでクルマのクォリティがランクアップしていると感じた。今回試乗する機会はなかったが、従来までのV6モデルは、エンジンがオーバースペックの感が否めないという点や、4ATとのマッチングがイマイチだという点が気になっていた。その点が、どのように改善されているかは興味深いところ。

ライバルに対するエスケープのアドバンテージは、リーズナブルな価格帯にある。税込の全国希望小売価格はXLTが255万円、リミテッドが325万円と従来価格を据え置き。飛び抜けた性能や個性こそないがあらゆる面で水準以上を確保、さらにユーザーのニーズにも幅広く対応する懐の深さももつエスケープは、コストパフォーマンスに優れたSUVである。ウィークポイントをあげるとすれば、ESPに代表される横滑り防止装置が設定すらないという点。現在、標準装着化が問われているアイテムだけに、ライバルと比較した場合に着目すべきポイントとしてあげられることだろう。

Report:菊谷 聡
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