ガソリン価格高騰は自動車のエコロジー化への追い風となっている。だが、ダイレクトに市民生活の財布に優しいエコノミー対策があっても良いじゃないか。フォードが、もうひとつの「エコ」対策を発表した。
1年間で200ドルのガソリン代節約が可能
ガソリン価格の高騰はメディアで目にしない日がないほど大きな問題だが、その事情はアメリカでも同じのようだ。現在の価格は、全米平均で1ガロンあたり4ドル程度(約115円/L)で、いぜん上昇傾向にあるという。日本よりは低価格の水準を維持しているとはいえ、わずか2年前には1ガロンあたり1ドル前後だったことを考えると、アメリカの市民生活に与える影響は、日本より深刻かも知れない。
そんなガソリン価格高騰策の一環としてフォード社が、フォード、リンカーン、マーキュリーブランドのクルマを、レギュラーガソリンにも対応可能にしたと発表した。
フォード社によれば、燃料にハイオクガソリンを指定または強く推奨している車種は、2002年の166種から280種にまで増えているのだという。同社は、エンジン制御技術を改良することで、主力3ブランドで販売する製品をレギュラーガソリンでも使用出来るようにすれば、ガソリン価格高騰への策になるだろうと考えた。対象となる車種には、2009年に販売が開始されるリンカーンMKSや、スポーツモデルのシェルビーマスタングGT500も含まれるというから、かなりの広範囲だ。
ハイオク仕様のクルマにレギュラーガソリンを入れると、パワーダウンなどの影響が出るのが普通だ。だが、フォード社によれば、今回の対策を施したモデルでは、悪影響は最小限に抑えられるという。例えば、リンカーンMKS(V6 3.7Lエンジン搭載車)の場合、ハイオクを使用した場合に275hpを発揮するが、これを87オクタンのレギュラーに変更しても270hp以上を発揮し、燃費も24mpg(約10.16km/L)の水準を保つという。
フォード社は、ハイオクとレギュラーの価格差と平均走行距離を鑑み、年間で200ドル以上の節約に繋がると試算している。
6速ATとの組み合わせで燃費も向上
オクタン価の低い燃料を使うことで懸念されるのは、ノッキング(燃料の異常燃焼)の発生だ。フォード社は、エンジンコントロールシステムの改良で、ノッキングを発生させないと説明する。
改良されたシステムでは、これまで1つだったノッキングセンサーを2つ装備するという。これにより、システムが瞬時に使用されている燃料の品質を判断し、点火時期などを適正な状態に調整するのだと、同社は説明している。
さらに6速ATミッションが組み合わされたモデルでは、ハイウェイなどコンスタントなスピードで走る際のエンジン回転数を抑えると同時に、燃料の排出量も抑えるため、燃費性能も向上させたという。ますます財布に優しくなるというワケだ。
フォードは、改良型エンジン搭載車を、2009年から登場させる予定でいる。
財布にダイレクトに効く、このフォードの取り組みは消費者の心を掴めるだろうか? 少なくとも心に響くことは間違いないだろう。ガソリン価格の高騰は今後も継続トレンドにあると言われているため、年間に節約出来る額は、当初の試算よりも多くなるかもしれない。
Report:染谷英一郎
[Ford]のおすすめコンテンツ
[ニュース]のおすすめコンテンツ







