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BMW M1 オマージュ
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伝説のスーパーカーが復活
BMW M1 オマージュ

いまだ人気を誇る往年のスーパーカーが、BMWデザインチームの習作として生まれ変わった。その名も「オマージュ」。思い入れたっぷりの1台の姿とは…
[2008/05/02]

いまだ語り継がれる伝説を持つM1

BMW M1は、1978年に発表された、3.5Lエンジンをリアミッドシップに搭載したスーパーカーだ。ボディデザインをジウジアーロが担当し、ボディ製造をランボルギーニ社に委託するなどした為、純粋なドイツ製とは認めない風潮もあるが、BMWの名が冠された時点で、ドイツ車初の本格的ミッドシップスポーツカーだというコトが出来る。

そんなM1の歴史は執念の歴史だとも言える。それは一般公道のみをターゲットとしたグランツーリスモではなく、レースに参戦することを目的として開発されていたため、当時狙っていたカテゴリーへの参戦資格を得るための生産台数ノルマの達成が難く、さらにオイルショックによる大排気量車への風当たりが強くなっていた。それでも、開発陣は生産を続け、最後には目標のレース参戦を果たしたのだ。1981年には生産が中止されてしまうなど短命だったこともあり、レースでの華々しい結果は残していない。だが、生い立ちに込められたヒューマンドラマは多くの人々の心を打ち、今なお、語り継がれている名車である。

そんなM1が誕生してから30周年を迎える今年、BMWのデザインチームがM1を復刻した。往年のM1への郷愁の念をたっぷりこめたそのモデルは、「BMW M1 Homage」。「オマージュ」と名付けられたこのモデルは、デザイン習作としてのプロトタイプで、同社がメインスポンサーを務める、クラシックカーと最新のプロトタイプカーが共演するイベント「Concorso d'Eleganza Villa d'Este 2008」で発表された。

ボディサイズとデサインキューは継承

デザインチームが存分に力を発揮して生み出しただけあって、そのスタイリングはダイナミックだ。特にフロントマスクは、強烈な印象である。ボディのオレンジとブラックのコントラスト、小さく角張ったキドニーグリル、そして見えないヘッドライトなど、デザイン・プロトタイプらしい前衛的姿をしている。

ボディサイドからリアフェンダーへのラインもマッシヴかつ丸みを帯びたデザインで、近代的エアロダイナミクスが考慮されていることを伺うことが出来る。まるでSF映画用にデザインされた未来志向の強いモデルにも見えるのだが、それでいて、ひと目でBMWであり、またM1の継承者であることが理解出来る。

いにしえのM1が特長としていた、ボンネットのエアベンド、ルーフラインをボディのリアセクションから分断するブラックのカットライン、そしてリアの左右に取り付けられたエンブレムなどが、「オマージュ」にはしっかり継承されている。なかでも、リアに配置されたエンブレムは、そのクルマがミッドシップレイアウトであることを表現するためのBMWにとって非常に重要なデザインキューであり、現在のところM1以外に使用の資格を持つモデルは生まれていない。この重要な特長を、今回の「オマージュ」ではハッキリと前面に打ち出している。写真では分かりにくいが、ボディサイズもオリジナルのM1とほとんど変わっていない。唯一、ホイールベースだけが延長され、室内スペースを増大させている。

最新のデザイン技法と伝統の融合が、「M1オマージュ」の最大のテーマだ。そして、「オマージュ」を製作する過程でデザインチームが与えられた刺激が、とても重要だとBMW社は考えている。同社デザイン部長のAdrian van Hooydonk氏は「BMW M1オマージュは、BMW社デザインチームのポテンシャルと独創力の高さを明白に示しています。このようなプロジェクトは、私たちの毎日の仕事に対して、インスピレーションの供給源となる、非常に価値の高い取り組みです」と、まとめている。

今回は、デザイン習作に留められるようだが、世界で繰り広げられるプレミアムブランドのハイパワー競争にやや出遅れている感のあるBMWだけに、M1オマージュを市販して、一気に優位にたってもらいたいと考えてしまう。

Report:染谷英一郎
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