これまでE90型M3は6速MTのみの設定だったが、待望のセミオートマチックMTが登場。しかも4LV 8エンジンのパフォーマンスを途切れなく路面への伝達可能な新開発ツインクラッチタイプ(M DCT)だ。
通常のMTより電光石火のシフトチェンジが可能!
世界を代表するスポーツクーペ&スポーツセダンの雄「M3」に待望の2ペダルセミオートマ・7速マニュアル「M DCT(Mダブル・クラッチ・トランスミッション」が登場した。すでにE36型M3よりセミオートマ・マニュアルミッション“SMG”を搭載し、E46型M3ではその進化系が採用されたが、このM DCTはSMGとその構造はまったく異なる。
M DCTは、トランスミッション内に1速/3速/5速/7速と2速/4速/6速という2つのギア・セットそれぞれにクラッチを1組ずつ設定。この2つのクラッチを交互に作動することで、エンジンパワーを途切れることなく後輪へと伝達できるようになったわけだ。具体的には、奇数ギアで走行しているとき、すでに偶数ギアすでにスタンバイされていて、奇数ギア側のクラッチが切れると瞬時に偶数ギア側のクラッチがつながるのだ。通常のMTの「クラッチを切る→シフト操作→クラッチをつなぐ」といったギア操作より素早くギア変更が行われるのが理解できるだろう。これによってM3が搭載する4LV型8気筒のパフォーマンスを余すことなく発揮することが可能となったわけ。ゼロヨン加速などでは、通常のMTを人が操作するより短いタイムを記録する。
M DCTのシフト操作は、ステアリングのパドルまたはシフトレバーで行う。もちろん自動ギアチェンジ機能も付いているので、ATのようなイージードライブも可能だ。AT免許でも運転できる。
すでにアウディやVW、日産GT-Rでも同様なミッションを採用しているが、純粋なFR車としてはBMWが初の試み。ちなみに従来のSMGやフェラーリのF1システムといったセミオートマ・マニュアルは、通常のMTのクラッチを電気制御しているため、シフトチェンジでクラッチを切るとき動力の断絶する必要があった。それゆえ加速感は通常のMT並みまたはそれ以下で、市街地では“クラッチを切る/つなぐ”の動作でショックが出やすくギクシャクしやすいデメリットもあった。とはいえ、2ペダルセミオートマ・マニュアルのメリットは、何よりステアリングとアクセル&ブレーキ操作に集中できること。今やスポーツカーも3ペダルよりも2ペダルマニュアルが主流となりつつある。市街地では快適でスポーツドライビングも可能とするM DCTは、まさにスポーツカー&スポーティカーのマストシステムとなることだろう。
M DCT搭載のM3の車両本体価格は、クーペが1050万円(6速MT1003万円)は。セダンが1020万円(同937万円)となっている。
Text:相沢耕平
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