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試乗インプレッション

メルセデス・ベンツE320CDIステーションワゴン・アバンギャルド
Mercedes-Benz

世間をビックリさせ続けているディーゼル乗用車のパイオニア
メルセデス・ベンツE320CDIステーションワゴン・アバンギャルド

CO2排出削減にすぐ効く対策として、ヨーロッパでは新世代ディーゼルが大流行。もともとメルセデス・ベンツはディーゼル乗用車のパイオニア。実際その完成度は非常に高い。
[2008/04/17]

家族そろって遠出するワゴンならディーゼルがいい

今のところ日本で普通に販売されている新世代ディーゼル乗用車はメルセデス・ベンツE320CDI(セダンとステーションワゴン)だけ。まだまだディーゼルに対して古い先入観が抜けない中で、汚い黒煙が出ない、振動と騒音も低い、燃料を食わない、そして速いと、世間をビックリさせ続けている。とても高価(約850~890万円)なのに販売台数の2~3割を占めていることからも、いかに評価が高いかわかるだろう。

3.2LのV6ディーゼルエンジンは、定番のコモンレール方式とターボの組み合わせ。224psの出力だけ見ればたいして驚かないが、最大トルク50mkg以上というのは、普通のガソリンエンジンなら5000ccないと出せない怪力だ。しかもそれをアイドリングより少し上、わずか1600rpmで絞り出すから、発進や低速からの加速が凄すぎる。これほど低速でパンチが効くと、自慢の7速ATも宝の持ち腐れ状態で、あまりアクセルを踏まず、自動的に高いギアを保ったまま、たいていのクルマを置き去りにするフットワークを誇る。その結果もちろん実用燃費もガソリンとは段違い。実際に東京と北海道を往復する3000kmで13~15km/Lを実測したこともある。全長4.8m以上、重量1.7トンものクルマでこんな燃費、ガソリンでは絶対に不可能だ。だからセダンもいいが、大きな荷物を満載し家族そろって遠出するワゴンなど、もはやディーゼル以外には考えられない。

メルセデスならではの走行感覚

残念ながら、いくら新世代ディーゼルが静かで滑らかだといっても、始動の瞬間などやはりガラガラ音は否定できない。でも走りだしてしまえば、それほど気にならないレベルだ。いや、かえって運転のリズム感を奏でてくれるように感じることも多い。それより誰もが惚れ込むのが、グ~ッと走りだす時の深い力感だろう。これを味わってしまうと自然に踏み加減を調節して、せいぜい2000~2500rpmで自動的なシフトアップが起きるようにしている自分に気が付くはず。このように実用面では万能に近いディーゼルだが、ただ一つ困るのはセルフのスタンドだ。給油中の手に軽油が付くと、ガソリンのようには揮発しないので、そのままではステアリングを握りたくない。

もちろん走行感覚はメルセデスそのもの。前を向いて乗っている限りセダンとワゴンの差などほとんど感じない。テールゲートと共に電動で開閉するトノカバー、小さな荷物が転げないように固定するアタッチメント、貴重品を隠せるボックスなど、あらゆる場面を考え抜いてくれてあるのも嬉しい。コーナーでの余裕あふれる安心感もメルセデスならではだし、日本向けは上級のアバンギャルド仕様で、しかも右ハンドルだから誰でも予備知識なしに親しめる。ただし、こればかりはディーゼルの弱みか、エンジンそのものの重量が嵩むので、急激な車線変更などで少し鼻先が泳ぐ感じが出るのは要注意だ。

Report:熊倉重春
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