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メルセデス・ベンツ アクトロスSLT
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スペースシャトル搬入はメルセデス・ベンツ製トレーラー
メルセデス・ベンツ アクトロスSLT

これ以上巨大かつひと目を惹く積荷があるだろうか? ドイツの博物館が購入したロシア製スペースシャトル搬入の模様を、メルセデス・ベンツ社がレポートした。
[2008/04/30]

すべてが破格のスケールの大型トラクター

ドイツの玄関口、フランクフルトからクルマで南に約1時間のSpeyerという街にある「Technik-Museum(テクニックミュージアム)」が、ロシアから新しい展示品を迎えた。それはBURAN(ロシア語で吹雪の意味)という名のスペースシャトルだった。

シャトルはロッテルダムの港からハシケに載せられてライン川を進み、大聖堂で有名なケルン、魔女伝説で有名なローレライを通過して、博物館のあるSpeyerの港に運ばれた。その港から博物館までの陸路に使われたのが、メルセデスベンツの巨大トラクターだった。スペースシャトルの移動に使われたのは、メルセデス・ベンツ社のトラクター「アクトロスSLT 4160 8x6/4」で、シャトルは16車軸の大きな台座に乗せられ、それをアクトロスが引っ張るという方法が取られた。移動ルートの沿道には、およそ1万5000人と目される見物人が集まったが、シャトル目当ての人ばかりでなく、この大型トラクター目当てのファンもいたと言う。

確かに、トラクターのスペックは破格のもので、公道を走れるものとしては世界最大級のものだ。最大積載/牽引重量は500t。これを動かすパワーソースは、OM502型V8 16L(!)ターボチャージャーBlueTecディーゼルエンジンだ。圧縮空冷式で、最高出力447kWを発揮。トルクは1080~1800rpmの間で2400Nmを発揮する。これを乗用車と比べると、出力は同社のSLRマクラーレンとほぼ同じながら、トルクは3倍以上となる。ミッションは、G240型トルクコンバータークラッチ付き16速ミッションで、VG2400-3W型トランスファーと組み合わされている。このトランスファーは、滑りやすいオフロードなどではトルク出力を抑制し、シフトチェンジの必要を抑える働きを持っているという。

外観も迫力に満ちたものだ。用途が限られたトラクターらしく、ルーフの上には黄色の回転灯が装備され、強力なサーチライトや赤と白に塗り分けられたバンパーなどが異彩を放つ。メルセデス・ベンツ社自身が「まさにパワフルな外観」と表現している通りである。

巨大なディーゼルエンジンを易々と飲み込む4200mmものホイールベースは、通常モデルよりも伸長されているが、そのせいでキャブの後ろに生み出された空間には、900L容量の燃料タンク、バッテリー、圧縮空気のタンクが配置された。さらにミッションとトルクコンバーターのオイルを冷却する大容量のオイルクーラーなども置かれている。

アクトロスSLT 4160 8x6/4は、3つの駆動車軸を持ち、2つの操舵車軸を持っている。駆動車軸が複数あることで牽引能力は増大し、かつそれらのデファレンシャルをロックすることが出来るため、トラクション性能も増大している。後ろ側にも操舵車軸を持っているので、4WSの効果を持っているということになる。これは、狭い道での取り回しなどの運動性能向上が図られた結果だ。

近隣に姉妹館もあるテックミュージアム

今回の大輸送を依頼した「テクニック・ミュージアム」は、陸海空の多種多様な乗り物を収集した交通博物館の趣を持ったミュージアムで、Speyerからクルマで約20分のShinsheimという街にも、同じコンセプトの姉妹博物館を有している。ドイツ旅行に行った際には、ぜひ立ち寄りをオススメしたい場所である。

どちらの博物館も非常に多くの珍しい乗り物を所有しているが、その資本は個人の資産と寄付だけによって支えられていて、公的資本にまったく頼っていないのだという。それなのに、非常に幅広い展示物を集めているのは見事というほかない。

今回シャトルを導入したSpeyerの姉妹館Shinsheimの博物館には、コンコルドが展示されている。実は、このコンコルドを搬送したのも、今回のメルセデスベンツ「アクトロスSLT 41608x6/4」だったのだというが、その搬送シーンも大迫力であったことは間違いないだろう。

Report:染谷英一郎
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