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試乗インプレッション

アルファロメオ アルファ159スポーツワゴン 海外試乗
Alfa Romeo

好ましいサイズアップ
アルファロメオ アルファ159スポーツワゴン 海外試乗

アルファのミディアムクラスにスタイリッシュなワゴンモデルが加えられたのは、先代156の時代から。だが当時のモデルは荷室が広いとは言えず、ワゴンとしての実用性には欠ける嫌いもあった。でも、新型はそうじゃなかった。
[2006/07/19]

もうセダンより狭いなんて言わせない

シチリアで行われたアルファ スパイダーの国際試乗会。その会場で我々日本人ジャーナリストたちは、もうひとつのアルファロメオに遭遇した。セダンである159をベースにルーフを延長し、リアハッチゲートを装備したスポーツワゴン、159SWである。

サイズは、全長4660mm×全幅1765mm×全高1425mm。実寸こそセダンである159と変わらないものの、そのたっぷりとした基本ボディは、ワゴン形状にぴたりとマッチしていた。ちなみに先代ワゴンである156SWのボディサイズは4430mm×1755mm×1415mm。「セダンよりもラゲッジが狭いワゴン」と言われ(セダンのトランク容量は378L、対するワゴンは360L)、実際の購入層も、使い勝手よりもそのスタイリッシュさでSWを選ぶという、非常に奇妙な状況を作り出していたクルマであるのは記憶に新しい。

それが今回は、ラゲッジ容量も445L(159セダンは405L)となり、セダンと同じ構造ながら6:4分割可倒式のリアシートや、スキーなどを車内搭載できるセンタートンネルも装備する「ワゴン」となった。

つまり“使える美しいスポーツワゴン”として159SWは帰ってきたのである。こうなってくると、今まで不便な思いをしてきたユーザーや、その荷室容量の狭さゆえに156SWの購入を躊躇していた潜在ユーザーにも、歓迎されるのではないかと素直に思えた。

V6+4WDの組み合わせはワゴンにこそマッチする!?

ユーティリティ面だけでなく、メカニズム的にも159SWにはワゴン向きなところがある。試乗したのは、日本導入予定モデルとして予定されている「2.2 JTS」と「3.2 V6 Q4」の2種類。そしてその「3.2 V6 Q4」には、トルセンCセンターデフを内蔵した4WDシステムが備わっているのだ。

これは通常43:57の前後トルク配分で駆動を行い、ひとたびオーバーステアやアンダーステアと言った挙動変化が起きると、最大で72:28~22:78まで駆動配分を変化させる可変式の4WDシステムとなっている。

それを実際にドライ路面で運転すると、フロントに重たいV6エンジンを積むにもかかわらず、どこまでもナチュラルにコーナリングしてゆく。そしてかなり本気で攻め込んだとしても、そのシステムが徹頭徹尾車両を安定方向に補正しようとする。これには正直「うまく走らされている」感がしないでもないのだが、例えばそれが雪道などでは、非常に役に立つのでは? とふと考えた。

アルファというとマジな走りのことばかりが話題にされがちだが、ちょっと一呼吸おいてアルファでスキーに出かけるなんて、何だかいいじゃないか。そう、「3.2 V6 Q4」は生活そのものを豊かにしてくれるアクティブビークルとして、活躍してくれそうな気配なのだ。

軽快な走りを求める向きには軽い4発の「2.2 JTS」もイイ

対する「2.2 JTS」は、結構ピュアなスポーツワゴンだ。何より「3.2 V6 Q4」に対する絶対的な車重の軽さが心地よい。2速のギアリングが少しワイドなために、小気味よく走るには1速からアクセルを踏み込む必要はあるが、そこさえうまくスピードを乗せてしまえば、必要にして充分なパワーと、ソフトだけれどストロークの深いサスペンションによって、軽やかに山道を走ってしまう。

4WDの駆動力にしっかり対応できるシャシーを持っているのもこのモデルの良いところで、その頑丈なボディがワンサイズ下の17インチタイヤや、厚みの充分なシートたちと組み合わされると、“トトン♪”とリズム良く路面からの入力を吸収してしまうのだ。

だから人によっては、「3.2 V6 Q4」を無理して買わないでも「これで充分!」と思ってしまうかもしれない。大きくなって喜ばれるのは育ち盛りの子供くらいなもの。それがスポーツカーやスポーティーカーになれば、自分のようなライターに、やれ「運動性能が落ちる」とか「昔は良かった」と非難されがちだ。だが今回のSWに関して言えば、ベースボディである159セダンの大型化が、とても良い方向に働いたと思えた試乗であった。

心配事と言えば、後々ラインアップされると言われる「Qトロニック」というトルコンATと、6MTをベースにしたセレスピード装着車両のデリバリーがいつになるかということくらい。しかし自分がSWを手に入れるなら、6速MTも悪くないと思っている。

Report:山田 弘樹 Photo:フィアット・オート・ジャパン
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