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EUニュースfrom木村オフィス
BMWカギ閉め事件
またやってしまった。車の中にカギを置いたままロックしまったのだ。普段はこんなことはやらないのだが、郊外のスーパーマーケットで買い物をしたあと、ドアはロックした状態でトランクだけを開け、荷物を積み込んだときに鍵をトランク内に置いたまま閉めてしまったのである。
実はこうした場合、通常ならば鍵が車内(キャビン内)にあることが自動的に検知され、ロックもされない仕組みなのだが、トランク内ではそのセンサーが働かないのである。
仕方がないので「昔とった杵柄?」で針金とドライバーを用意し、窓枠からの侵入を図るが、車内のドアノブはそんなに簡単に針金でひっかかる様な形状はしていない。怪しげな日本人に対する周囲の冷たい視線を感じながら、それでも一時間ほど針金の形状を変えるなどして格闘したがやはりダメだった。
仕方がないのでBMWの緊急サービスに電話を入れた。するとおよそ20分でX5が到着する。ワルターと言う名前の愛想のよいオジサンが「ああ、やっちゃったね!」と言いながら、まずは周辺の様子を窺う。
当然のことだが、まずはこのクルマの持ち主かどうかが確認される。というのはこのクルマは他人のモノ、あるいは盗難車であるかも知れないのだ。私はサイフに入れておいた車検抄本と免許証を見せて、私のクルマであることを確認させた。
ちなみにドイツでは車検証は2つあって、本物の車検謄本は家にしまっておき、クレジットカードほどに畳める抄本(写真)は普通サイフに入れておく。
さて、解錠の方法だが、実はこれはいくつも方法がある。これが自動車泥棒に判ると困るので、正確には教えてあげることは出来ないのだが、ちょっと思いがけない場所をエアクッションのようなものに空気を送り込んで膨らませ隙間を作って、そこの配線ソケットを通じでロックを解除させるのだ。後が全く残らないようにきれいにやるのでちょっと時間が掛かるがそれでも場所を見つけて解錠するまで30分は掛からなかった。この様子をみているとやはり現代のクルマはエレクトロニクスで出来上がっていることが改めてよく判った次第である。
それにしても今年はこれで二度目だ、「三度目の○○」が来ないように今後は注意をしたいものだ。
(木村好宏)
日本人は花見、ドイツ人はBBQ
世界中で異常気象である。ドイツでも先月4月の気温は、気象観測が始まって以来の平均より6度も高かった。
ボクの自宅の温度計を見てください! 午後6時55分だというのに外気は27.3度、家の中でも26.4度なのだ。
この影響で、花粉に大いに困っている。異常高温のためにボクにとって危険な植物がドイツ中で狂い咲きを始め、花粉を撒き散らし出したのである。しかも、家の隣には巨大な杉がある!
これまでは大したことなかったのに、今年は異常なほどに花を咲かせ、花粉をまるで雪のように散らせているのだ。
ボクのBMW525dツーリングのブラック・ボディにはかなりの量の花粉が積もっている。これはもう、花粉症などというなまやさしいレベルではない。花粉が目に入って痛いし、鼻も花粉そのもので詰まってしまうほどの量だ。もちろんボクのアナと言うアナ、粘膜という粘膜は全て発狂したように反応、腫れ上がり、痒くなった。
日本から持ってきたクスリは全然役に立たず、仕方なしにドイツの薬局で買った特効薬(錠剤)は想像したとおり馬に食わせるほどの大きさで、夕方服用してみたらたちどころに眠くなり朝まで起きられなかった。仕方なしに一日に何回も、頭や顔、そして目を洗いながら花粉が消えるのをひたすら待っている。困ったものだ。
ところで、この異常気象で雨が全く降らない。おかげで森林警備隊は火災の防護に躍起になっている。というのも天気が良くなるとこの国の人々は野生を取り戻し(?)公園や森へ繰り出してバーベキューを始めるのである。それはもはや本能とも言うべきもので、天気が良い休日ともなれば、郊外には行く筋も狼煙のようにバーベキューの煙が上がっている。それはまるで、日本でいうと桜の開花につられて出来てくる人々の花見のようだ。しかも後片付けの嫌いな国民性だから、森林警備隊の苦労ははかりしれない。
そんなわけで花粉の減少と森林火災が起こらないように毎日雨乞いをしているこの頃である。
(木村好宏)
ドイツ都市部自動車乗り入れ規制
ドイツでは2007年3月1日から排気ガス規制値、正確には微粒粉塵の程度によって都市部への自動車乗入規制が実施されることになった。
正確にいえば、その規制の対象となるクルマのカテゴリーを明らかにするためのステッカーの提示がこの日から義務付けられ、各車検場で検査とステッカーの交付が始まったのである。
この規制によれば、現在ドイツで登録されている自動車はその排気ガス規制値によって4種類に分けられ、以下のステッカーの交付を受けなければならない。

ユーロ2規制をクリアしたディーゼル乗用車

ユーロ3規制をクリアしたディーゼル乗用車

ユーロ4規制をクリアしたディーゼル、制御式キャタラーザーを装備したガソリン乗用車、電気自動車、燃料電池車など
これらは実は非常に大まかな区分で、この他に後付けの粉塵フィルターを持ったディーゼル乗用車などの厳密な規定もあり、それぞれ上の3グループに振り分けられる。
4つ目のグループはこれらのステッカーの交付を受けられない種類で、ガソリン仕様の乗用車では制御式触媒の装備されてない年式のもの、そしてユーロ1あるいはそれにも満たないディーゼル・エンジン塔載モデルである。
これらのすべての詳細な区分は、既に正確に車検証に記載されていて、ドイツ技術検査協会(TÜV)の車検場を訪問すれば、専門検査官の車検証検査によって即刻ステッカーの種類が判り交付を受けることができる。ちなみに車検証があれば、クルマを持ち込まなくても良い。
このステッカーは州によって異なるが5ユーロから10ユーロで販売されており、入手後は速やかにフロント・ウィンドーの判りやすい位置、つまり前方右下に貼るように指示される。
乗入禁止地域に関しては実施時期にやや差はあるが、ドイツの大都市ほぼ全域で行なわれる。

たとえば粉塵問題が深刻なシュツットガルトは今年の7月から、デュッセルドルフとミュンヘンは10月、そしてベルリン、カールスルーエ、ケルンフランクフルトは遅くても来年の1月から、ステッカーに応じた乗入禁止の実施が始まる。
ところでこの法律にはもちろんいくつかの例外がある。そのなかで30年以上経過していてドイツ技術検査協会、すなわち日本での車検場(運輸省)からヒストリック・カーの認定を得て「H」ナンバーを交付されたものは除外されると記載されている。
もちろん現在ドイツ国内において現役で使用されているが、どのステッカーの交付もうけることができないで、将来的には大都市部への進入ができなくなるクルマも数多く存在しており、その数はおよそ1000万から700万台に上るといわれている。
粉塵、排気ガス問題は確かに深刻で早期に対策を取らなければいけないことは判っていたのだが、これほどの犠牲を強いられることになるということは誰も気がついていなかったようで、現在、車検場と自動車ディーラーの両方に質問が殺到しているといわれる。
(木村好宏)
ワケの判らないモノ
旅をしていると時々ワケの判らないものに出会うことがしばしばある。今回の取材で宿泊したホテルは元修道院だったそうだ。だから部屋の隣にチャペルがあったりしてなかなか面白かった。
ところでその回廊を歩いて行くと、先方に図書室兼居間のような部屋があった。入ってみると壁いっぱいに肖像画らしき絵が掛かっていた。ちょっと薄暗かったので近くに寄って見たら、なんと不気味なことに顔が全部犬なんです。しかもレトリーバーとかビーグルとか種類は沢山あって、しかも衣装がとても自然なのが不思議な感覚だった。
フロントで尋ねてみると、ここがホテルになるずっと前、この修道院を買って屋敷に使用していたオーナーが犬好きで、そのままになっているとか……。それにしても怪しい。
さらにフロントで話しをしていたらもっと怪しいモノを発見した。ホテルのノベリティ・ショップのショーウィンドーにパンツが並んでいたのである。それも天使の絵柄がプリントされている。もちろん女性用だ。
「こ、これってパンツですか?」
私が何故かウロタエて聞くと、ホテルの人は全く普通に
「はい、そうです。お土産です!」
と答える。だって、ここは昔、修道院でしょ! わたしはキリスト教のことは詳しくは知らないけれども、こんなモノを売って良いんでしょうか? 日本のお寺でお釈迦さんマークのフンドシを売ってますか? それにもしあなたの彼女がこんなパンツを履いていたらどうします……?
さて、乱れた心を落ち着けるために部屋のトイレに入ったらまたまた驚いた! ウォシュレット、いや、これは商標だけれどもナンと言うのでしょうか(?)お尻洗いの付いたトイレがあったのです。
ヨーロッパでも徐々に普及していて、ジュネーブの高級ホテルでも見たことがある。しかし高級ホテルだけれども、こんな田舎まで来ているとは思わなかった。 ところが、ところがなのだ! やはりまだ普及して間もないらしくチューニングがきちんと出来ていない。
まず、当たり所が悪い、いやひょっとするとヨーロッパ人の体格、あるいは彼らの穴の位置が違うのかも知れない。私の場合はお尻を移動しないとソコに当たらない。そうこうしているうちに、最悪の事態が起こった。突然水が熱くなったのである。きっと誰かがプリセットしておいたのだろう。ほぼ熱湯に近いお湯が私のアナを直撃した。アッチッチ!
「こんなところを火傷して看護婦さんにクスリを塗られるなんて!」と一瞬、不謹慎な考えが頭に浮かぶ。こんな時にまで! 私はなんという人物なのだろう。私の尊厳はどこにいったのだろうか? すぐさまバスタブに移って冷水を浴び、ようやく九死に一生を得たが、まあ、驚いた経験であった。
翌日、チェックアウトの際に、件のカウンター・クラークが
「快適にお過ごしになられましたか?」
とまあ儀礼的に聞いてきた。
「ちょっとお湯が熱かったけれどもあとは全部OK!」
と、少しアソコがヒリヒリするのを感じながらこのホテルをあとにしたのだった。
(木村好宏)
ポルトガル人男性は見栄っ張り?
さてさて、トヨタ・オーリスの試乗会が開かれたポルトガルで遭遇した珍事を……。
リスボンの食事はとても美味しかった。中でも新鮮な魚や伊勢海老を、グリルで豪快に焼き上げた素朴な料理はすばらしい。そしてキンキンに冷やした白ワインがまたこれにピッタリなのです。もちろん試乗の終わった我々は、これを大いに楽しんだのでした……。
さて、ワインを飲むと、結果としてオシッコをしたくなる。これは当たり前の現象で、そこでトイレへ行くわけだが、ここでとても不愉快な事象に遭遇した。
実は、このレストランの、男子トイレの、あのアサガオと呼ばれる小便器の位置がとても高いのだ。それも中途半端な高さで、背伸びをするまでもないのだが、フツウのポジションでするとボクのアレがあの縁に当たりそうなのだ。下手すると“のっけてしたほうが良い”というくらいの位置なのだ。もちろんそんなことはしないけれども……。
ポルトガル人も、例えばドイツ人に較べれば小柄な方だ。ちなみにこんな屈辱的な高さの小便器を、ボクはドイツでは見たことがない。
「一体これはどうしたことなのか?」と思ってそっと隣の様子を覗いたが、小柄な彼らもなにやらその高さと格闘している様子。
「何ダヨお前もか!」
と思わず叫びそうになってしまった。ポルトガル人の男は見栄っ張りなのかも知れない。
(木村好宏)
リスボンでオーリスに乗る
トヨタ・オーリスの試乗会はポルトガルのリスボン郊外で行なわれた。
「カローラの後継モデルに、どうして改めてオーリスという名前を付けたのが判らない」というのがドイツ人ジャーナリスト達の偽りのない印象だ。つまり前のモデルが失敗で、どうしてもそのイメージを払拭したいというのならば判る。たとえばフォルクスワーゲンのジェッタが、ボーラになってその後ヴェントにマタマタ名前を変更したのは前のモデルが売れなかったからなのだ。つまり悪いイメージを払拭したかったのである。だから別に悪くないカローラのモデル名を、大金を払って変える必要性は別に見当たらない。
それにしても英国製オーリスの出来には驚いた。いやベーシック・コンセプトが判らない。これまでのカローラのような日本的な緻密さが見えないのだ。例えばセンター・コンソールのデザイン……。キレイな曲面を描いているのは良いが、凸面なのでRのある反対側のスイッチがドライバー側からは全く読めない。
小さなことだが、なにやら熟考する時間が足らずにスケジュール優先で出てきてしまったような印象を受けたクルマであった。
とまあ、スタティックな印象は悪かったけれども、走りに関してはとても良かった。シャーシはスポーティ、ステアリング・フィールはクイックで確か、また路面からのキックバックなどもキックバッリ(気配り?)満点。
僅かに気になったのはエンジンで、欧州の高速道路での事実上の最高巡航速度130km/h付近では、ノイズが高まった。
(木村好宏)
マドリッドのホテルにて
木村好宏氏とアレックス・オステルン氏によるブログ「EU Nachrichten」は、今回より「EUニュースfrom木村オフィス」と名称を変更いたしました。今後も宜しくお願いいたします(編集部)
マドリッドにホテルにて(2月1日)
2月に入るとボクの取材旅行は、ちょっと早いけれどもまるでF1のように欧州へ戻る。その最初がポルシェ・カイエンとスマートの試乗会が開かれたスペイン、そしてホンダ・シビック・タイプRやトヨタ・オーリスの試乗会が開かれたポルトガルである。
どうして西ヨーロッパへ行くのかといえば、やはり天候だ。冬の中央ヨーロッパ、ドイツやフランスは天気が安定しないので、ここまで来てしまった方が良いのだ。例えば昨年12月、南仏ニースでのアウディTTロードスター試乗会は土砂降りだった。
さて、今回も変なホテルに泊まった。まずスペインのマドリッド。旧市街の中心にある立派なホテルなのだけれども、プレス・ディナーが終わり、クタクタになって夜寝ようと思ったら、ベッド・サイドのテーブルにSEXという表示のある照明(?)スイッチがあった。まあ、いやな予感はしたけれども、この三文字は決して嫌いな方ではない。
「何かな?」と思ってスイッチを入れると、何と部屋中がピンク色に染まったのだ。それこそかつてのドリフ、加藤茶の「ちょっとだけよ!」の世界になってしまった。でも、こんな子供だましのような照明に喜ぶカップルが、スペインには果たしてまだいるのだろうか? これが「効く」のだったら、日本へ持ってくれば少子化問題はなくなるかもしれない。
(木村好宏)
ラス・ベガス
フェニックスから飛行機で一時間弱、到着したのはラス・ベガス、アウディR8の試乗会はここで行なわれた。
先入感を持たずに冷静に観察しようとしたのだが、到着ホールでチェックインした荷物をコンベアーの前で待っていたら、なにやら華やかな音がする。振り返って見るとスロットマシーンが並んでいる。これでは先入感どころではない。まさにウエルカム・トゥー・ラス・ベガスだ。
「ここで一攫千金と行こうぜ!」とボクのハイドが囁く、するとジキルが「一生ここで皿洗いだよ!」と警告する。幸いなことに、ホテルは繁華街から離れたラス・ベガス湖の辺にある。もちろん人造湖である。もっともこの近くに「ホンモノ」がある方がおかしい。
R8は良かった。本当に良く出来ていて、買いたい衝動に駆られる。ただし贅沢を言わせて貰えば、もうちょっとセクシーと言うか、インパクトが欲しい。「フェラーリから乗り換えても良い!」と思わせるようなラテン的なノリが……。

昼の撮影が終わって、繁華街の夜景とのカラミを撮りに行くことにした。しかし西も東も判らないので、アウディが案内人としてブルースというアメリカ人ドライバーを付けてくれた。昔、自転車競技で全米チャンピオンになったこともあるという、長身でガッシリした男だった。聞けば軍隊経験もあるそうだ。まあボディガードにもピッタリか? とこの後で起きる出来事に対して、なんとも的確な想像をしていた。

さて、コンビニ前の駐車場を基点に撮影を始めると間もなく、後方のモーテルから女性の罵声が聞こえてきた。「サン・オブ・ザ・ビッチ、Mother F×××er」とかかなり過激。続いて何かが起きそうな音がした。改めて見ると女性の手にはシルバーのリボルバーがキラリと光っている。スミス・アンド・ウェッソンのスナッブ・ノーズか? いやあの音からして22口径のアメリカン・ルガーか?
そんな冷静な判断が頭をよぎると同時に、ブルースがボクの頭を押さえて「911だ!」「携帯電話をよこせ!」という。
「何でポルシェ?」と思うと同時に、ここはアメリカ、911は110番だと思い起こす。3分も経たないうちに遠方からサイレンの音が響き、やがて駐車場に砂埃とともに4台のパトカーが到着。件の女性はあっけなく取り押さえられていた。
ブルースは第一通報者としてパトカーで事情聴取をされ、やがて戻ってくると「俺はなんて健全で勇気のあるアメリカ人なんだろう!」と自画自賛している。確かにそうだ。これも、彼が兵役に行っていたからこそできたのかもしれない。しかし、イラクの惨状も頭をよぎり、複雑な感じがした。
翌日、ブルースは空港まで送ってくれながら「もし俺のことを書くのならば知らせてくれよ!」と言い残した……。ラス・ベガス空港は相変わらずチンジャラとパチンコ屋のような音が響いていた。
グッドバイ・ラス・ベガス。
(木村好宏)
フェニックスにて
さて、フェニックスへ着いたらなんと寒いこと! 昼でもようやく摂氏5度、けれども天気が良いのでBMW3シリーズ・カブリオレで絶好のオープンエア・ドライブを楽しむ。
同行したのはオーストラリア人ジャーナリストのグレッグ・ケーブル。ボクと同じようにドイツ在住で頑張っている。もっとも彼はドイツ人女性を奥さんにしたほど入れ込んでいるが。
それはともかくクルマは想像以上の出来で、二人でマーシャルの影に怯えながら飛ばしに飛ばした。アメリカでのスピード違反は程度にもよるが「即監獄行きである!」とグレッグは脅かす。
走りながら写真撮影に良い場所を探す。我々の目標はガラガラ蛇、じゃあなくてサボテンだった。グレッグにとっても同じ。オーストラリアにも毒蛇は山のように生息しているが、大きなサボテンはないのだ。
いくつか大きくて格好の良いサボテンは見つかったのだが、道から離れていたりしてクルマの背景にはならない。仕方がないのでクルマとは別に、サボテンまで歩いて行ってお互いに記念写真を撮った。
ところが帰路、突然道端にとてもきれいな形と色をしたサボテンを見つけた。「なんだ、探せばあるじゃん!」とばかりにクルマを置いて撮影を始める。ところがカメラを覗いて見ると「ナンか変!」 それは近づいてみると、なんと鉄筋の入ったコンクリート製の人工サボテンだった。根元はボルトで止まっている。
でも、一体なんで? だって周りはサボテンだらけなのに。これでは薔薇園に薔薇の造花を置くようなもの。いやどう考えても納得が行かない。結局「我々のようなツーリストが、きれいなサボテンを見つけることができずにアリゾナの地を離れるのを、見るに見かねたアリゾナ観光局の誰かが親切で作ってくれたのに違いない」と考えるしかなかった。
ホテルに帰ると「普通はサボテンの脇まで歩いて行って、写真を撮るようなことはしない」と言われた。そこは砂漠の真ん中、真夏ならばガラガラ蛇のお散歩道だ! 冬だから良かったのだ。それを聞いて、我々の背中には冷や汗が流れ落ちた。
(木村好弘)
再びアメリカへ
さて、デトロイトショーの後、仲間のドイツ人ジャーナリストのお誘いでデトロイトからドイツへ戻った後、彼らと一緒にBMW3シリーズ・カブリオレの試乗会にアメリカ・フェニックスまでまた舞い戻って来る、という選択肢もあったのだけれども、割安チケットなので変更ができない。
いや出来るのだけれども、やたらと高いので東京へ戻らなければならない。「チックショー!」だけれども仕方がない。デトロイトから東京に戻って一泊。まだスーパー7の部品が届いてないのだけを確認して、フランクフルトへ向かった。
フランクフルト空港に到着したら、迎えに来てくれたアレックスが半袖を着ている。聞けば暖冬で10度を越えているという。ドイツ人が寒さに強いのは知っているが、それでも半袖はないだろう!?
事務所へ立ち寄るとクリスマスカードのヤマ。この習慣は日本の年賀状に似ている。お世話になった人へのお礼だ。結構ドイツ・メーカーの偉い人たちからも送られていたので、慌ててこちらからもカードを送る。
ドイツで1泊し、翌日にフェニックスへ向かう。
シカゴ経由なので12時間は掛かる。東京からだと合計23時間の空の旅であった。この間に地上で食事をしたのは2、3回。ボクは恐らく機内食で生きているのかもしれない、と実感したこの頃である。
上空にあがるといつも夜、機内から見る景色はいつもこんなだ。本当ならば隣に座っているオネーサンに「キレイな夕焼けですね!」とかなんとか言いたいところだが、変な想像をしているうちに自分は涎を流して爆睡している。
やはり疲れている……。
(木村好宏)





